ギリシャで演舞披露 四日市市の会社員 加藤大貴さん

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【地中海を背にポーズする加藤さん】

 ギリシャのレフカダ島で8月に開かれた国際民族舞踊フェスティバルに、四日市市の会社員、加藤大貴さん(29)が出演した。東京の和エンターテイメント集団「舞鼓刀塾」の「一員」として、日本舞踊や殺陣を融合させたオリジナル作品を上演。甲冑を着て刀剣を振り、現地の人々の大歓迎を受け、生涯忘れられない思い出になった。来年夏の同公演にも参加する心積もりだ。

 レフカダ島は、文学者、日本研究家として知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の出身地。同フェスは1962年から毎年開かれており、音楽やダンスなど伝統的な民族芸術を通して国際的な平和と友情を深めるギリシャで最も有名なイベントのひとつだ。加藤さんは、10日間の公演旅程を盆休みと有休をやり繰りして参加した。

 現地は湿気の少ない地中海性気候だが、気温は30度前後で日差しは強い。初日のパレードでは、「楽しい・苦しいと感情の振り幅が大きかった」という。沿道に観衆が詰めかける中、15キロある衣装の甲冑を身にまとい、始終写真撮影に応じつつ踊りながら練り歩いた後、野外劇場でのオープニングセレモニーで演舞を披露した。

 小さな村の広場での公演やサムライワークショップで現地の子どもたちと剣を交わす交流もした。広場では演舞開始数秒で音響のバッテリーが切れてしまうハプニングに見舞われ無音で続行することに。「音で動きを覚えていたので、相手の動きと合わせられなかった。体に叩き込まなくてはいけないと痛感しました」。

 加藤さんは住友電装でワイヤーハーネスの設計に携わっている。好奇心旺盛で、なんでも挑戦したくなる性格。ヘアドネーションや畑づくりをしたこともある。メディアで絶妙な受け答えをする俳優の大泉洋さんを見て、俳優の「引き出し」の多さに興味を持ち、自分も演劇をしてみたいと1年前、名古屋のアマチュア劇団に所属した。周りは経験者ばかり。追いつこうとダンスやアクロバットも習い始めた。共演者の紹介で、愛知県日進市の岩崎城で本格的な殺陣を披露する「岩崎城刀劇隊」にも入隊した縁で、今回のギリシャ行きを誘われたという。

 帰国後はすでに刀劇隊の公演に出演し、所属劇団の11月の公演稽古にも精を出している。「さらに技を磨きたい」と笑顔を見せた。

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