きっと思い出になるね、画家になった先輩が特別な美術の授業、四日市の橋北中学で3日かけ

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【生徒たちに指導する山内大介さん=四日市市高浜町】

 画家として活躍する卒業生、山内大介さん(42)が教える特別な美術の授業が10月24日、三重県四日市市の橋北中学校で開かれた。本物のキャンバスにアクリル絵の具を使い、油絵を描くような体験。23日に自由な発想で描いた画面に、24日、そこに自画像を描くテーマが課せられた。前日の画面を崩したくなくて苦しむ生徒もいたが、何とか乗り越えて、自分なりの作品をと頑張った。25日に作品を完成させる予定で、3日通しの授業を締めくくる。

 指導した山内さんは、白日会会員で日展会友の洋画家。授業での指導は初の体験といい、自ら内容を考え、学校に提案してくれたという。内村信彦校長が、先輩校長らから山内さんのことを聞いていて、6月に名古屋で個展があった時に会場を訪ね、指導をお願いしたという。

 授業を受けたのは3年生26人全員。この日は2人欠席で24人がキャンバスに向かった。F3サイズのキャンバスは、23日の段階で、それだけで作品になりそうなものもあったが、山内さんは24日、「自画像を描いてほしい」とテーマを課した。

 好きなように描くだけでなく、一種の緊張や壁を乗り越えることで、作品は深みを増し、作者にとって大切な作品になる。課題の含む意味を山内さんから聞かされて、生徒たちは、今や下地になった前日の作品を生かす自画像をつくろうと取り組んだ。

模範演技で自画像を描いてみせる山内大介さん

 前日の絵になかなか手をつけられない生徒、すっぱりと顔を描き始める生徒、発想や行動は人それぞれだ。午後の2コマを使って描き続け、それでも、「放課後も残って続けたい」という生徒も多かった。25日も制作を続け、それぞれが納得のいく作品をめざす。

床にキャンバスを置き、課題を乗り越えようと頑張る生徒

 山内さんは「絵は、タイムマシンのようなもの。この作品を描いた時、自分はこうだったなとか、思い出せる。苦労して完成させた作品は、きっと特別な宝物になると思います」と話していた。

 山内さんは名古屋芸術大学大学院修了。2013年、第48回昭和会展で、文学でいえば芥川賞のような東京海上日動賞を獲得、第1回美術新人賞デビュー賞の奨励賞も獲得した。2016年、改組新第3回日本美術展覧会で初出品初入選、2017年、改組新第4回日本美術展覧会で特選、2018年、第94回白日会展 損保ジャパン日本興亜美術財団賞、瀧川画廊賞 全国巡回、などの受賞歴があり、毎年のように東京、名古屋、大阪などで個展や作品展が開かれている。