ヤングケアラー、子ども食堂、四日市の三重小学校で子どもをめぐる状況を学ぶ企画

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【子ども食堂について考えてもらうきっかけにと、カレーライスをみんなで食べた=四日市市東坂部町】

 三重県四日市市東坂部町の三重小学校で11月5日、三重地区人権教育推進協議会主催の「ヤングケアラーと子ども食堂」が開かれた。ここ数年で注目度が高まっている「ヤングケアラー」にどう向き合うべきか、また、三重地区にはまだないという「子ども食堂」を知ってもらうきっかけにと、みんなでカレーライスを食べる体験もして、子どもをめぐる状況を考えた。

 協議会は、例年、講演会やコンサートを地区向けに開いてきたが、今回は久しぶりに広く市内全域に向けての企画として開催したという。倉田雄司会長は少し前にヤングケアラーを扱った教育映画「夕焼け」を見て、いつかテーマにしたいと心に温めていたという。

 最初に、四日市で子ども食堂を最初に立ち上げた「四日市子ども食堂55」の山田知美さん、四日市市こども家庭課の田中重行さん、社会福祉士の加藤利江さんの3人が、子ども食堂やヤングケアラーについて講演した。

ヤングケアラー、子ども食堂について講演する3人の講師

 山田さんは、食事をしっかり食べられない子どもに提供しようと始まったことで、子ども食堂が貧しい子のためのものと解釈され、敬遠されるなど、活動を広げる壁になった面があったことを紹介。今では、子どもの貧困対策のほかに地域交流の拠点づくり、孤食をなくし、ひとり親世帯への応援にもなるなど、子ども食堂の役割や存在意義が形を変えながら大きくなっていると説明した。

 田中さんは、何がヤングケアラーなのかについて解説、加藤さんは実際のヤングケアラーの例なども紹介した。本来なら大人がすべきレベルの家族の世話を子どもが担い、本人が意識できないまま、勉強をする時間や友人と過ごす時間を削られ、勉強についていけなくなり、友人からも孤立するといった無理な状況が重なっていく。学校のほか地域の人らが声をかけ、「気にしてくれる人がいる」という安心感をもってもらえるように、社会全体で接していくことが必要だという。

 会場の体育館には100人を超す人が訪れ、カレーライスの提供には子どもたちの長い列ができた。