形よりそこで何を考えるかが大事、車いすのモデル葦原海さんを招き四日市高校で人権講演会

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【四日市高校の生徒を前に自らの生き方を語る葦原海さん=四日市市富田4丁目】

 三重県立四日市高等学校で11月15日、人権講演会があり、車いすでファッションモデルやパフォーマーとして活躍している葦原海(あしはらみゅう)さん(26)が講師を務めた。事故で両足を失っても、そこから新しいことに挑戦しようと生きてきた葦原さんの強い意志が語られ、生徒それぞれの心に響いたようだった。

 会場の体育館には1、2年生600人余(3年生はリモートで参加)が入り、真ん中に敷かれたマットをランウェイ代わりに葦原さんが車いすで入場した。スクリーンに写真を投影し、ミラノコレクションやパリコレクション、東京パラリンピック閉会式、歌手MISIAさんのアリーナツアーなど、これまでに出演した数々の活動を自ら紹介した。

これまでの活動を写真などを投影して説明した

 この日の演題は「10年後の自分が伝える、私の在り方」。前日の14日が26歳の誕生日だった葦原さん。16歳の時に交通事故で両足を切断したが、今、さまざまな分野で国際的に活躍している自分がいる。生徒や教員の質問に葦原さんが答える形で講演会は進行した。

 両足を失った時、必要以上に嘆くのではなく、「早く車いすで外に出たい」など、今を超える次の自分を見て歩みを続けてきたという葦原さん。「どうしたら、そんなにポジティブな気持ちになれるのですか」という質問に、「とくにポジティブになろうとは考えていない。自分がやりたいことを考えていると、落ち込み過ぎる時間なんてない」などと答える葦原さん。その潔さに、質問する側がたじろいでしまいそうなやりとりが続いた。

生徒や教員との質疑で進行した講演会

 四日市高校も伝統校であるため、バリアフリーなどで弱いところもある。「バリアフリーについて、どう思いますか」との質問が出た。葦原さんは「古い施設では、車いすで簡単に動けない場所もある。そんな時は人が運んでくれてもいいというか、バリアフリーの形が整っていることよりも、置かれた状態の中で何ができるか、みんなで考えることの方が私は大事だと思う」などと答えた。

 葦原さんは16歳で車いすの利用者になったが、2年後にモデルなどの活動を始め、テレビや雑誌などで観光地などを紹介するインフルエンサーとしても活躍している。TikTok36万人、YouTube25万人などSNSフォロワー数は70万人を超すとされる。2023年5月に初の著書「私はないものを数えない。」を出版した。

 四日市高校では、生徒と同じ年ごろに車いすの利用者になり、前向きに人生を切り開いている葦原さんの話を生徒たちが関心を持って聴いてくれると考え、今回の講師に招いたという。