紅葉の庭が見ごろ、文化財の旧平田家住宅書院と合わせ無料開放中

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【伊勢湾を模した池を中心に紅葉が見ごろの庭園=四日市市千代田町】

 三重県四日市市千代田町の旧平田家住宅の書院(国の登録有形文化財)から見る日本庭園の紅葉が見ごろで、無料開放されている。11月26日までの前期と12月3日~同10日までの後期に分かれており、それぞれ、書院の掛け軸などが変わり、異なる趣を楽しめる。

 池泉回遊式の庭は、書院が建てられた1884(明治17)年と同じごろの作庭とされ、伊勢湾を表す池と、その向こう側にある岩と小石で滝と滝つぼを表現しているという。紅葉はイロハモミジなどもあるが、ここではドウダンツツジが主役で、黄色く色づくものや真っ赤に染まるものがあるという。

書院からながめる庭が美しい絵のよう

 書院は、室内が15畳の書院と10畳の次の間からなっており、天井などに屋久杉、春日杉などの良材をふんだんに使っている。平田家は江戸時代末期から庄屋を務めたとされ、その財力がうかがわれる。桐の欄間には明治時代に活躍した画家、川端玉章の下絵による山月などの透かし彫りが施されている。

 現在、住宅は、ここでギャラリーなどを開いている目黒陶芸館の館主、目黒伸良さんが管理している。「今年の気候を考えると、後期は早めに来ていただいた方がよさそうだ」とのこと。

 無料公開の期間中、陶芸作品を展示している。前期は人間国宝三代山田常山さんを祖父にもつ山田想さんの常滑焼の作品、後期は、大阪出身で、国内外で活躍している新宮さやかさんの作品を展示する。

書院に展示されている山田想さんの作品