「ホンゴウソウ」発見の地 楠歴史民俗資料館で牧野富太郎企画展 来年1月28日まで

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【牧野博士と四日市とのゆかりが紹介された展示=四日市市楠町本郷】

 楠歴史民俗資料館(四日市市本郷)で今年放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルで、植物学者の牧野富太郎(1862-1957)にちなんだ企画展「牧野富太郎が見た四日市Part2~ホンゴウソウの名付け親」が、同資料館展示棟で12月2日から始まった。牧野博士が命名した多年草の腐生植物「ホンゴウソウ」は、同資料館のある本郷の樹林で120年前に発見され、ゆかりある場所での展示を来年1月28日まで見ることができる。

 四日市市立博物館(安島)で今春開催された「牧野富太郎が見た四日市~120年の時を超えた植物標本~」の第2弾。より四日市に焦点を当て、牧野博士が上京する際に四日市から乗船した船や植物採集のために訪れた場所などを当時の写真などとともに紹介した足跡をたどるコーナーもある。

 ホンゴウソウは漢字で「本郷草」と書く。本郷の出身で、四日市尋常高等小学校(現・中部西小)に在職していた今井粂蔵さん、植松栄次郎さんらによって1903(明治36)年に発見された。地上から出る茎の長さは3から5センチ、鱗片状の葉は長さ1・5ミリと極めて小さく、7月から10月に茎の先端に雄花、その下に雌花をつけ、薄暗い林の中、落ち葉に溶け込むように生えるため、見つけることが難しい。同資料館には「ホンゴウソウを探しています」などの貼り紙をして情報提供を呼びかけている。

 今回の展示には「ホンゴウソウ」の標本レプリカも展示。四日市市立博物館の職員が作成したもので、実際よりも大きく作られ、ホンゴウソウの特徴などが分かりやすいものとなっている。

【ホンゴウソウの標本レプリカ】

 観覧料は無料。開館時間は午前9時から午後5時。毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日にあたるときは、その翌平日)、年末年始(12月29日~1月
3日)は休館日。問い合わせは同資料館TEL059-398-3636へ。