「4年間の集大成に」 箱根駅伝出場 四日市出身、日体大の田中慎梧選手

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【レースを走る田中選手(11月に行われた日体大記録会、一番手前、ゼッケン14)=提供写真】

 陸上長距離の強豪で三重県立伊賀白鳳高校から長距離走を始め、日本体育大学に進学後は、箱根駅伝出場を目指してきた四日市市出身の田中慎梧選手(4年)。一度は部活を辞めようと地元に戻ったこともあったが、思い止まり一念発起。陸上選手最後のレースとなる箱根駅伝で悔いのない走りをしようと闘志を燃やしている。 

 陸上部のない四日市市立中部中学2年の時、三泗中学駅伝に出場し、同高の陸上部の監督の目に留まった。当時、高校で陸上部に所属していた兄の勧めもあり、「新しいことに挑戦してみよう」と同高に進学した。3年生の時には5千メートルで東海大会に出場し、全国高校駅伝にも出場した。

 大学に進学後は慣れない寮生活や厳しい上下関係、ハードな練習に気持ちが折れ、3年の時、部活を辞めようと同期に相談、実家に帰った。家族と話す中で、何のために日体大に進学したのか考え直し、「大きな経済的負担をしてくれる親の期待に応えよう」と大学に戻った。昨年箱根駅伝メンバーに選ばれたが、出場は叶わなかった。 

 その後、けがをし、4年生になっても調子が戻らなかった。今年公式のレースに出場できたのは箱根駅伝予選を含め3回。やる気になっても体がついてこず、モチベーションが下がった。箱根予選の記録(ハーフマラソン1時間4分41秒)も納得できるタイムではなかった。メンバー確定まで2か月ほど、「これが最後、走ることを楽しもう」と初心に戻った。プレッシャーを吹っ切ったことで、心と体の調子が整い、4年間で最もいい走りができるようになった。
 

 狙うのは、区間10位以内、シード権獲得。「高校で陸上を始め、中学までとは思いもよらない人生になった。苦しい気持ちを分かち合った同期はかけがえのないもの。4年間の集大成として悔いのない走りをしたい」と語った。

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