四日市のPFAS汚染考える、専門家もリモート参加して最新状況に見解

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【リモートで参加し、会場の質問にも答えた京都大学大学院の原田浩二准教授(スクリーン)=四日市市安島1丁目】

 三重県四日市市の「そらんぼ四日市」で2月10日、「四日市市における水質汚染について考えよう~四日市市のPFAS汚染~」が開かれた。市主催の「四日市エコパートナー事業」で、全国で問題になっている有機フッ素化合物(PFAS)による汚染状況を調べている四日市公災害市民ネットが企画した。

 この分野の全国の状況に詳しい京都大学大学院医学研究科准教授の原田浩二さんもリモートで参加した。原田さんは、PFASの中のPFOA、PFOSなどが脂質異常や甲状腺への影響、がんとの関連など健康リスクが疑われ、水に溶けやすいために土壌汚染から地下水の汚染へと広がっていく心配があると指摘した。国際的には規制を強める方向で動いており、行政などは、現在の暫定指針値が将来は引き下げられる可能性を考えて行動すべきだと見解を述べた。

 会では、市民ネットが今年1月に採取した川の水などの分析結果が公表された。それによると、キオクシアの第1排水口部田川排出や同川の下流、海蔵川合流前でPFOAの数値が高かったほか、三滝川水系の矢合川では、智積橋、いのき橋、南山橋と上流に行くにつれてPFOAの数値が高くなり、南山橋では暫定指針値50ng/Lを大きく超える221.74ng/Lを示したという。

 原田さんは、岡山県内の例として、水源ダムの上流でPFOAを除去するための吸着活性炭が山に置かれて、そこから汚染が浸透したとみられる状況があったことを紹介。市民ネットから、矢合川の上流に産業廃棄物などが捨てられていないか、調査を進めていることが報告された。

 また、原田さんは、キオクシアの排水口などからPFOAの高い数値が出ていることについては、「半導体製造で用いるレジストはいろいろあるものの、なぜPFOAが多く検出されるのかが分からない。工程の副製物として出ていないかと危惧している」などの疑問をもったことも紹介した。

 会では、愛知県から「豊山町民の生活と健康を守る会」の共同代表坪井由実さんが、地域での調査や行政への働きかけなどの経緯を紹介、PFASによる地下水汚染という形で新しい公害が広がっている心配があると指摘した。

豊山町での活動を報告する坪井由実さん

 市民ネットの共同代表松岡武夫さんは、四日市でのこれまでの取り組み、森智広市長に調査の徹底を求めていることなどを紹介。調査を本格的に進める動きが見られないとして、2月定例月議会に検査の徹底などを求める請願を提出する準備をしていると明らかにした。また、キオクシア近郊の山之一色地域などで井戸水を採取するなど地下水汚染の実態を調査するとした。