食事を考えるきっかけに 薬膳に関する著書出版 四日市市出身の髙木久代さん 

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【著書を手にする髙木さん=鈴鹿市岸岡町の鈴鹿医療科学大学】

薬膳との出会い

 四日市市出身で、鈴鹿医療科学大学副学長、同大学保健衛生学部教授の髙木久代さん(71)が昨年12月著書「はじめての薬膳 簡単で美味しくて運気も上がる!」(太陽出版)を執筆した。日本薬膳学会の代表理事でもある髙木さんが基礎知識から、日々の食事への取り入れ方に関してまとめた一冊だ。

 髙木さんは、以前は英語の教員として関東や三重県内の高校に勤務。40代のころ、同大学の初代理事長である父に同行し、中国を訪れた際「薬膳」と出会った。体調不良に悩まされることが多かったが、現地の人に勧められた食事をとったところ、改善されるように。「特別なことじゃなく、普段の食事に取り入れること」と魅力にひかれた。

 同大学では英語の教員として医学英語を指導していた。学内に東洋医学の専門家がいるという環境を生かし、薬膳の勉強に励み、勉強会を開くなどし、「日本に合う薬膳」について追及してきた。

 59歳のとき、「今更無理ですよ」という周囲の声をよそに、三重大学医学部医学研究科へ入学。勤務が終わると三重大学へ行き、論文の作成や膨大な数のデータ分析をこなした。4年3か月ほどで博士課程を修了。2013年には、日本薬膳学会を設立し代表理事に就任。同学会では、市民公開講座を企画するなど、日本での薬膳普及に注力している。

連載執筆も担当

 著書は第1章から5章で構成。薬膳の基礎知識、体質別などにまとめられ、写真などを使用し、分かりやすくまとめられている。「薬膳はちょっと難しいと思っていたけど、この本を読んで楽しそうと思いました」という人もいるそうで、料理レシピも充実。薬膳を学びながらも、料理のレパートリーも増える内容となっている。「体も元気になれば心も元気になる」をテーマにした内容に、購入した人から「さっそく作りました」という声も。

 YOUよっかいちの連載「未病への旅」の執筆もする髙木さん、「普段の食事を少しだけ考えていただくきっかけになれば。気軽に毎日の生活に薬膳を取り入れてほしいですね」と笑顔で話していた。「はじめての薬膳 簡単で美味しくて運気も上がる!」は、207ページ、税込み1650円で、県内の書店やアマゾンで購入できる。

 また、今年1月には日本薬膳学会編集の「和の薬膳」(2200円)が講談社から出版。髙木さんは、同大学の浦田繁さんとともに本文編集を担当した。

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