温水プール改修は意見割れる、宮妻峡の整備案説明、PFASへの取り組み請願は不採択に、四日市市議会の委員会審議

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【温水プール、宮妻峡整備、PFAS汚染などが審議された四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は3月5日、委員会で予算案などの審議があり、昌栄町の温水プール改修については、市の水泳協会が求める50メートルの正式な競技用プール建設との兼ね合いから、賛成、反対の意見が真っ二つに割れ、委員長判断で可決すべきものとした。市民団体から提出されたPFAS(有機フッ素化合物)の汚染対策への取り組みを求める請願は不採択となった。

〇競技用プールと温水プールは別次元の問題か否か

 産業生活常任委員会では、昌栄町の温水プールを約26億円かけて改修する案に市水泳協会からも見直しを求められていることで議論があった。委員からは、「水泳協会と打ち合わせながら進めてきた」と市が説明したことに、「協会から反対が出ている状況は、打ち合わせがしっかりされていなかったことではないか」と厳しい指摘が飛んだ。

 特に、市が、改修により、公認記録が計測できるプールになると説明してきたことに対し、委員から「施設の広さや部屋数などから公認の大会が開ける見込みがないのに、なぜ公認記録が取れるのか」と質問があり、市が「業者の設計が公認記録を取れるものかどうかは確認中」と表現を変えたため、巨額を投じた改修なだけに、強引な進め方ではなく、「水泳の専門家でもある協会との話し合いを今からでもしっかりすることが必要だ」と求める意見が出た。

 一方で、温水プールは一般市民が年間約2~3万人利用しているとされ、「競技用プールとは別の次元として、この改修は進めるべきだ」とする委員の意見もあった。採決では予算案のうち温水プール改修の部分のみを独立させて採決し、改修案に賛成、反対が4人ずつで同数になったため、委員長の判断で可決すべきものとした。また、水泳協会との協議など、予算委員会の全体会に送って付帯決議をすべきとの提案があり、賛成多数で全体会送りを決めた。

〇宮妻峡の整備計画案を説明

 この委員会では、老朽化した宮妻峡ヒュッテを取り壊し、その後、キャンプ場を含めた一体的な整備をする案についても議論され、前日の委員会からの求めに応じて、市側が整備計画の中間案を始めて示した。内部川の上流の清流を利用した川遊びなどができるエリア、車を乗り入れて活用できるオートキャンプ場になる施設のエリアなどに分かれている。委員からは、宮妻峡の魅力的な活用が図れるよう、新年度の検討をしっかり進めるよう意見が出された。

〇PFAS汚染への取り組み請願は不採択に

 都市・環境常任委員会では、PFAS(有機フッ素化合物)の汚染の実態を独自に進めている四日市公災害市民ネットから提出された請願「市全域における水環境のPFAS汚染の実態を早急に把握して汚染源を特定し、PFAS汚染対策への取組を速やかに進めるよう求めることについて」の審議があり、賛成少数で不採択とした。

 請願は全国的に高い値が検出されているPFASの汚染を四日市市で広げないため、①市全域における水環境のPFAS汚染の実態を早急に把握する②市全域の井戸、湧水を調査し、地下水のPFAS汚染の状況を把握する③高濃度のPFAS汚染が検出された河川及び地下水の周辺地域を中心に土壌汚染のサンプリング検査をする④市内のPFAS汚染状況について調査結果を速やかに情報開示する⑤地域住民の血中濃度のサンプリング調査と健康調査を行う⑥PFAS汚染度の高い水の利用の停止や浄化装置の導入等により汚染軽減を図る⑦事業者が使用しているPFASを把握し、市内に保管されているPFASの管理を強化、徹底する、の7項目を求めた。

 市側は、国が定めた暫定基準値50ng/Lを基準に、測定カ所を1カ所から3カ所に増やして調べることや、企業などに使用不可のPFASが含まれる泡消火設備が残っているかどうか現状を把握していることなどを挙げた。そのうえで、市としては、国の専門家による会議の検討結果を注視するしかないとした。

 委員は、現状をしっかり調べようとする請願の趣旨の大筋には理解を示したものの、7項目のうち、とくに⑤の血中濃度のサンプリング調査をすることに、「国の見解がない中でこのような調査をすると、煽るようでもあり、場合によっては人権問題にもなりかねない」「対象地域になった人からも、なぜ、となるのでは」などの意見が出され、採択の壁となった。

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