市長PRの婚活支援に賛否、保育園の待機児童が新年度100人の見通し、四日市市議会の委員会審議

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【婚活、保育などが委員会で審議された四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は3月6日、教育民生常任委員会の予算案などに関する審議があった。森智広市長が記者会見でも打ち上げた婚活支援「四日市マリッジサポート事業」の新年度への継続については賛否があり、多数決で可決すべきものとした。保育園の待機児童数が、4年続いたゼロから新年度は100人に跳ね上がる見通しが市から説明され、厳しい現状を全議員で認識する必要があるとして、予算委員会全体会の議題に載せることにした。

 四日市マリッジサポート事業は、若い世代の結婚に対する機運を高めてほしいと、市が婚活パーティーなどの出会いの機会を提供する内容で、森市長は昨年8月の定例記者会見で取り組みをPRした。昨年9月からこの3月までに計7回のイベントを企画。新年度の事業費は800万円で、このほかに新しく婚姻届けを出した、ともに39歳以下の夫婦に1世帯10万円の結婚祝金を給付する事業(1億1000万円)、事務経費450万円が計上されている。

 委員からは、婚活パーティーなどのイベント実施に対し「1回100万円程度の金がかかっているのは大きすぎないか」と指摘があった。市は、場所の選定、参加者の募集、事前説明、ホームページ運営、委託先事務局の人件費などがあると説明した。市は、出会いの機会に恵まれない若者が、市が主催していることで安心して参加でき、少子化対策へもつながるなどの説明をした。結婚祝金給付については反対意見はなかった。

 採決前の討論でも委員から「婚活に関しては、出生率の向上につながらないし、これだけの金額は他の事業に回すべきだ」と反対意見があった。一方で「出会いの場がない人もあり、ニーズはある」「今年度予算の決算の時に中身をしっかり見て判断したいので、今回は賛成する」との意見もあった。

 市からは、保育園の待機児童数、入園待ち児童数について資料が提出され、それによると、4月1日現在の待機児童数(入園待ち児童数から特定の保育施設を希望する児童を除いた児童数)が、2020年度から4年続いたゼロが、2024年度は100人程度になると見込まれると説明があった。

 市北部などで若い層が増えていることや、保育士の確保が全国的に難しくなっていることなどで需要を満たせない状況という。委員からは「今までのやり方がよくなかったからでは」などの意見もあったが、市側は「保育士など人材不足は日本中がそうなので、四日市だけ何とかなるというわけにはいかない」などと状況を説明した。

 このほか、児童虐待などが見逃されないよう、4月から改正児童福祉法の施行で設置が努力義務化される「こども家庭センター」の体制や業務の変更点について市が説明した。学童保育への支援、子ども食堂など、「居場所」づくりへの市のかかわり方についての質疑もされた。

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