若い世代に応急処置の方法を知ってもらう「第1回よっかいちジュニアメディカルラリー」が3月10日、三重県四日市市のJCHO四日市羽津医療センターで開かれた。高校生約60人が12チームに分かれて参加、設定の異なる4ステージで対処の早さや的確さを競った。交通事故の現場、大地震発生直後の街など、いきなり出会う状況に対処しながら、仲間との意思疎通や互いに助け合うことの大切さも学んでいた。
四日市羽津医療センターが主催し、市立四日市病院が協賛、四日市市が後援した。このほか、名張市立病院、富田浜病院、中京病院、菰野厚生病院、三重県立総合医療センター、みたき総合病院など市内外の医療機関や四日市、名張、桑名、菰野の消防など計18の施設の約130人が運営スタッフとして協力した。
開会式の会場は高校生とスタッフでいっぱい。羽津医療センターの住田安弘院長が「これからの人生で、みなさんが急な場面に出会うかも知れない。そんな時、できるだけのことができるようになってほしい」とあいさつした。高校生は四日市だけでなく桑名などからも参加。医師や看護師など医療関係の仕事をめざしている人も多いという。
メディカルラリーは、羽津医療センターの健康管理センターの地下から4階までを使ってステージを設けた。食堂で急にお年寄りや赤ちゃんが苦しみ始めた、バスと車の交通事故で複数のけが人がいる、大地震でけが人を助けていると再び大きな揺れ、などの想定だ。
高校生たちは、事前に心肺蘇生やけがの応急処置の仕方などを学んで臨んだが、初めて出会う状況に仲間とどう対処するかなどはぶっつけ本番。いち早く役割分担をして救急車を呼んだりできたチームもあれば、考えているうちに時間が経過してしまうところも。食べものをのどに詰まらせて苦しむお年寄りや、赤ちゃんがぐったりして途方に暮れる母親など、スタッフらの演技も熱演だった。
ジュニアメディカルラリーは全国的にも開催が広がっているといい、県内では名張市で中高生を対象に開かれてきたなど幾つかの前例があるという。名張での開催時に協力していた羽津医療センターのスタッフが今回、四日市市での初開催を企画し、名張市立病院を含め多くの協力を得て実現できたという。