知る人ぞ知る四日市市の観光資源に注目 四日市商業高校でシティプロモーション出張授業

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【発表に向けて話し合う高校生ら=四日市市尾平町で】

 四日市市シティプロモーション部観光交流課による出張授業が5月2日、三重県四日市市尾平町の県立四日市商業高校であった。同課長補佐の中村匡さん(47)が同市の観光の取り組みついて説明し、今春同課の観光PRアナウンサーに就任した武田知沙さん(31)が発表のポイントやヒントを講義し、「課題研究ビジネス授業」を選択した3年生7人が聴講、最後にグループ発表を行った。

 東海ラジオで放送中の四日市市広報番組に、地域の観光ビジネスを学ぶ同高の生徒たちが出演したことをきっかけに、同課は3年前から毎年、シティプロモーションについての出張授業を実施している。

 中村さんは、スライドで図や写真を効果的に示しながら「最も多くの星を投影できるとしてギネス認定された市立博物館のプラネタリウム(2016年当時)」や「陸海空から臨むことのできる3D工場夜景」などの観光資源、テレビやラジオ等メディアの活用、漫画とのコラボ、芸能人を起用したPR動画制作、映画の撮影誘致といった多岐にわたる取り組みを紹介。「四日市を知り好きになってもらい、行き来する人が増え、何らかの関わりを持つ人を増やしたい」と力説し、高校生らは真剣に耳を傾けていた。

 後半はアナウンサー歴9年の武田さんが、「県外の同世代に伝えたい!高校生が選ぶ『四日市の推しスポット』」という課題を提示。発表のポイントとして、最初に簡潔な見出しを付ける▽伝えるべき要点を整理する▽五感をフル活用して表現する――の3つを挙げた。推しスポットの例として、「あすなろう鉄道」をテーマに、「ハート型の手すりが並んでいて、なんてかわいい車両なんだろう」、「線路が狭いので、桜の季節は花が手に届くんじゃないかと思うほど近すぎる景色が魅力」とスピーチを披露し、高校生らはその表現力の豊かさに感嘆しきりだった。

【にこやかに講義する武田さん】

 最後は、3つのグループに分かれ、「推しスポット」を検討。「少年自然の家」、「おにぎりの桃太郎」、「BUBU cafe」が挙げられた。おにぎりの桃太郎を推したグループは、四日市が発祥の地である同店のおにぎりメニューについて「半分が具」「最後まで幸せ」と紹介し、おにぎり以外のメニューについても豊富なこと、とりわけ甘味の中からみたらしだんごを勧め、「袋を開けると甘い香りが広がる」「もちもちの食感」と感情を込めて発表した。

 武田さんは「セリフを交えたり、具体的に表現する工夫が見られた」とたたえ、「欲を言えば、表情をもっと明るく、もっと笑顔で」とアドバイス。その後も生徒たちは「表現のレパートリーを増やすために日頃から努力できることはありますか」「表情が硬くなってしまう、どうしたらいいですか」と活発に質問し、武田さんの回答に熱心に聞き入った。

「課題研究ビジネス授業」を選択した生徒たちは、今年度四日市市をPRする動画制作にも取り組むそうだ。 

【記念写真に納まる高校生らと中村さん(後列右端)、武田さん(前列右から3番目)】