基本計画策定委員会の審議がスタート、JR四日市駅前の新大学構想

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【新大学の具体化への審議が始まった四日市市大学基本計画策定委員会=四日市商工会議所】

 JR四日市駅前に新しい大学を設置するための第1回四日市市大学基本計画策定委員会が5月22日、四日市商工会議所で開かれた。昨年度につくった基本構想を具体的な大学設置計画にしていく役割を持つ会議で、「教育研究」「施設計画」のふたつのワーキンググループを置いて議論を進めることになった。

 基本計画策定委員会は年度内での計画策定をめざし、委員長に谷口研二さん(大阪大学名誉教授)、委員に加藤義人さん(名古屋都市センター特任アドバイザー、岐阜大学客員教授)、加藤真紀さん(名古屋大学高等教育研究センター教授)、玉上晃さん(国際医療福祉大学常務執行役員・事務局長、元文部科学省大臣官房審議官)、種橋潤治さん(四日市商工会議所顧問、株式会社三十三銀行特別顧問)、舘英次さん(四日市市副市長)、アドバイザーに佐久間肇さん(三重大学理事・副学長)と竹茂求さん(元鈴鹿工業高等専門学校長)を選任した。

 冒頭、あいさつに立った森智広市長は、この日、四日市での新教育拠点づくりの検討を始めることになった三重大学(伊藤正明学長)を訪問し、双方の研究についての情報を共有する組織を設けることになったと報告。「新大学は複数の大学の連携によって運営されるものになるが、教育の枠組みだけでなく、施設面も同時並行的に進める必要があり、ご協力を願いたい」などと話した。

 今後は、国立大学、公立大学、私立大学が複合的に連携して効果を出す新しいタイプの大学をめざすうえで、大学の学部構成や定員、教育内容、産業界との連携などを研究する「教育研究ワーキンググループ」、大学の施設規模や付属施設、施設配置などを研究する「施設計画ワーキンググループ」を設置し、三重大学内での研究・検討の状況の情報交換もしながら進めていくことになった。

 討議では、米国の工学教育で独自の取り組みが知られるオーリン工科大学の例なども紹介され、複数の大学が単に集まるのではなく、それぞれが、どのような役割で連携できるかが大切だとする意見があった。また、性格の異なる大学が連携する場合の事務局をどうするかなど、非常に難しい課題が幾つか出てくるだろうとの意見もあった。