30年以上の高校理科教員経験や、三重県の環境行政での従事経験を生かし、四日市市内を中心に環境教育の質の向上や、生ごみの削減などに取り組む一般社団法人「ネクストステップ研究会」の代表。課題解決に向けて、人や場所のつなぎ役を担っている。
四日市西高校時代に、活動が低迷していた生物部を自然研究会と名を改め、海岸の生物調査など臨海実習などを行い活発化。テニス部の顧問と兼任し、男子は県で準優勝、女子はベスト4に。当時の部員とは今も交流がある。生徒指導部の教員として、同校が私服登校を導入する際に、検討段階で、校則を守るとはどういうことかを考えるため1年間制服に関する校則をしっかり守る準備期間を設け、生徒の思いに向き合った。その当時の生徒会の役員が、今は若者を育てる市民活動団体で活躍している。当時の経験が生きていると感じている。定年退職時は四日市中央工業高校の校長を務めていた。
旧四日市市環境学習センターの環境講座の講師を務め、その時知り合ったメンバーと2015年同研究会を立ち上げた。里山整備や空き家問題などに取り組み、市に政策提言。昨年依頼を受け、パラオ共和国でゴミ分別を進めるため現地の小学校教員に研修を行った。
今年度は同市生活環境課と協働で、生ごみ減量推進等事業として、黒土や竹チップを使いバクテリアの力で生ごみを分解する「キエーロ」の共同購入を開始。市の補助金や共同で購入することで経費を抑えて、市民がごみ削減に取り組める仕組みを作った。
研究会の立ち上げから9年、メンバーは33人になり環境問題に関心のある若い世代も参加している。生ごみ削減は立ち上げ後に参加したメンバーの発案で事業化。昨年キエーロのモニターを募集した際は、定員の5倍の希望者が集まり、手ごたえを感じている。「次世代を担える人を育てていきたい」と笑顔で語った。