「笹川のまちに感謝」 コミュニティ食堂「えすぺらんとかふぇ」プレオープン 四日市の小久保さんら

6998

【笑顔で活動中のえすぺらんとのメンバー=四日市市笹川】

 中学生のころから、四日市市笹川で多文化共生活動に取り組んだ小久保未羽さん(19)は、地域の人が安心して暮らせるよう、地域交流を目的としたグループ「えすぺらんと」を立ち上げ、5月下旬に団地内でコミュニティ食堂「えすぺらんとかふぇ」を開いた。

 小久保さんは小学5年生の時、外国にルーツを持つ人が多く暮らす笹川団地に転居してきた。開放的で外部から来た人も気軽に受け入れる笹川に、地元愛が生まれた。しかし外国にルーツを持つ人が言葉の壁で思うような生活を送れないことがあると知り「周囲の人の少しの配慮があれば、できることがある」と強く感じた。西笹川中学では、生徒が主体で活動する「多文化共生サークル」に参加した。

 中学3年生の時、サークルの代表になった。国籍や世代を超えた防災訓練や、夏祭りでの子ども向けブース出展などを行い、その活動を評価され、市民が主体的に行う国際的な文化交流活動を通じて、豊かで活力のある社会を築いていこうとする活動をする団体に対し、国際交流基金より授与される「地球市民賞」に選ばれた。高校は福祉コースのある県立四日市農芸高校に進学。同サークル出身の仲間と、フードパントリーなどのイベントに参加し、日本語教室でボランティアをした。

 高校卒業後は、派遣社員として働き「笹川で子ども食堂を開きたい」と、昨年8月四郷地区のカフェで開かれた子ども食堂の運営に携わった。当日の設営や運営を子どもたちが行い、自分たちで担当を決めて、場に応じて役割を交代し、声を掛け合いながら運営する姿を微笑ましい思いで見守った。またサークル時代の仲間と団地内の祭りに出店し、地域の人と交流し、子どもだけでなく、外国にルーツを持つ人や、高齢者など皆が集まれる「コミュニティ食堂」を開こうと、同サークル出身者などに声をかけ、15歳から20歳までの14人のメンバーが集まった。

 「自分たちの力でどこまでやれるか試したい」と、行政の補助金などは申請せず、保健所への届け出など手探りで必要な情報を集めた。今までの活動で、生まれたつながりがあり、会場探しやチラシ作りなどスムーズに準備ができた。5月下旬、同団地内の空き家を活用した「ふれあいサロンわかさ」で、コミュニティ食堂「えすぺらんとかふぇ」のプレオープンイベントを開いた。地域の人や、中学のころから小久保さんの活動を見守ってきた恩師など20人ほどを招待した。

 以前、子どもたちにお菓子を配った際、アレルギーで食べられなかった子どもがいたため、アレルゲン除去を徹底。副菜のゆかり和えのゆかりがアレルギー対応であることを製造元に確認し、豚汁の味噌は通常の大豆を使った味噌ではなく、大豆味噌の味を忠実に再現したアレルギー対応のそら豆味噌を使った。自分で働いて貯めた資金や、寄付してもらった食材を使い、おにぎり、豚汁、副菜の3品を手作りし参加者に振る舞った。メンバーが演奏するアコースティックギターに合わせて参加者と歌を歌い、ボードゲームを楽しんだ。

【ギターに合わせて歌う参加者】

 小久保さんは「自分がイキイキと生きてこられた笹川のまちに感謝し、自分たちが楽しみながら、恩返しをしていきたい。子どもだけで来られるよう、この場所をお借りし、『えすぺらんとかふぇ』を開き、おばあちゃんの家のように落ち着き、楽しめる場所にしたい」と笑顔で語った。