久保舎己さんの木版画と水俣病を伝える活動、四日市公害訴訟勝訴から52年の7月に企画二つ

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【「エントツの風景」=四日市再生「公害市民塾」の企画準備資料から】

 四日市公害訴訟で原告患者側が勝訴した1972年から52年を迎えた今年7月、三重県四日市市でふたつの記念企画が開かれる。公害や戦争など社会への思いを作品にした久保舎己(くぼ・すてみ)さんの木版画を紹介する7月21日の催しと、水俣病を伝える活動を熊本県で研究した国立民族学博物館教授の7月27日の報告。どちらも無料で、「そらんぽ四日市」が会場。事前申込がまもなく締め切られる。

 久保舎己さん(1948~2023)は津市出身で、木版画は独学だったという。20歳代のころ、四日市公害の被害者を支える運動に参加し、社会に目を向けるようになったといわれる。仕事のかたわら版画に打ち込み、四日市公害だけでなく、人と環境の最大の破綻ともいえる戦争をテーマにした。

 太平洋戦争の沖縄戦から最近のウクライナを題材にしたものまで、晩年はがんの闘病をしながら制作に意欲を傾けたという。久保さんの作品は2000点に迫るといわれる。

「帰り路のエントツ」=四日市再生「公害市民塾」の企画準備資料から

 昨年、津市で作品展が開かれ、久保さんのことを知った四日市再生「公害市民塾」の伊藤三男さんらが、もっと多くの人に知ってほしいと考え、四日市市が主催する「四日市市エコパートナー事業」に提案し、企画が実現した。タイトルは「四日市公害を忘れないために市民の集い2024 四日市公害~人と環境の大切さを刻んだ木版画家・久保舎己の世界~」。午前9時半からそらんぽ四日市(四日市公害と環境未来館・四日市市立博物館)の1階講座室で開かれる。

 会場に久保さんの作品を展示し、午後1時から久保さんの研究家で個現館館長の金子遊さんが講演。作品紹介や解説、参加者との意見交換もする。午前9時半~午後1時までと午後3時半~午後4時半まではだれでも作品を見学できるが、講演や作品解説などは事前申込が必要になる。

 定員50人程度で、7月10日必着。四日市公害と環境未来館のホームページ、Fax、メール、館内図書カウンターから①講座名「公害とアート」②代表者名③住所④電話番号⑤年齢⑥グループの場合は全員の名前を送る。

 もうひとつの企画は、「四日市公害を忘れないために~伝えることの意味~水俣の実践から」で、7月27日午後1時半から、そらんぽ四日市1階講座室で。四日市公害と環境未来館の企画で、水俣病を伝える活動について長く調査してきた国立民族学博物館教授の平井京之介さんが講演する。

 平井さんは社会人類学、東南アジア研究が専門で、そのかたわら、2005年から熊本県水俣市で水俣病を伝える活動の研究に従事し、2024年3月~6月、みんぱく創設50周年記念企画展「水俣病を伝える」のプロジェクトリーダーを務めた。

 定員50人程度で、参加希望者は7月13日(必着)までに、四日市公害と環境未来館「水俣実践講演会」係あてに、チラシの応募フォーム、はがき、Fax、メール、館内図書コーナーで申し込む。①代表者の連絡先(名前、ふりがな、郵便番号、住所、電話番号)②参加者全員の名前と年齢が必要。応募多数の場合は締め切り後、当選者のみに通知するという。