聖武天皇と四日市とのつながりを紹介、くるべ古代歴史館で夏季企画展

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【聖武天皇と四日市のつながりを解説する夏季企画展の展示=四日市市大矢知町】

 三重県四日市市の「くるべ古代歴史館」で7月10日、夏季企画展「聖武天皇即位1300年記念 聖武天皇の足跡」が始まった。仏教を重んじ、大仏の建立を命じたことなどで小学生にも名前を知られる天皇だが、四日市などに足跡があることなどを紹介し、歴史の登場人物が身近な存在に感じられる内容だ。9月8日まで。期間中、展示説明会やイベントも無料で開催される。

 展示室には、聖武天皇に関する年表、四日市を訪れた時のゆかりの地の紹介、奈良時代の古窯跡から出土した土器類の展示などがあり、常設展示の内容と合わせてみると、聖武天皇の行幸の様子や、当時の生活の様子を感じることができるようになっている。

 展示資料などによると、聖武天皇は724年、24歳で即位し、在位は25年。奈良平城京を中心に天平文化が花開いた時代とされる。一方で、度重なる災害や凶作、天然痘の流行や内乱などに悩まされた時代でもあった。聖武天皇は仏教を深く信仰した国造りをめざし、741年、全国に国分寺・国分尼寺を建立するよう詔を発布、743年には大仏建立の詔を発した。

 四日市を含む東国への行幸は740年10月~12月にかけて行われ、伊賀、伊勢、美濃、近江、山背の各地をめぐり、歴史館のある朝明の地では2泊したといわれる。東国行幸は、日本古代最大の戦乱とされる「壬申の乱」で勝利した大海人皇子(天武天皇)が通ったルートを再現するような形で行われており、乱れた世の政治への信頼を勝ち得ようとの狙いがあったとも考えられているという。

 今回の展示では、四日市市上海老町の岡山古窯跡群から出土した土器なども展示した。「奈良時代は奈良だけでなく、少し離れた四日市のこの地でも土器もあり、人々の生活があった。聖武天皇がこの地を歩いたことを思い浮かべてもらうことで、教科書の歴史がより身近なものとして感じられるといいなと思います」と学芸員の大原涼子さんは話している。

展示された高坏などの出土品

 聖武天皇ゆかりの地としては、宝性寺(蒔田2丁目)、石取祭でも知られる聖武天皇社(松原町)、聖武天皇が行幸で笠を池に落とし、村の少女が拾ったとされる「鏡ケ池(笠取池)跡」(蒔田1丁目)、敷地に四日市市唯一の前方後円墳がある志氐神社(大宮町)などが紹介されている。

 期間中、7月13日、同27日、8月10日に学芸員による展示説明会がある。8月の説明会は小学6年~中学生向けにやさしく解説するという。8月3日と8日には、午前10時から藍の生葉染めを体験する屋外イベントがあり、ハンカチを青く染める。小学4年生~中学生が対象で、定員は各回15人程度(応募多数の場合は抽選)。参加申し込みは7月15日必着で、参加希望日、代表者住所、電話番号、参加者全員の名前(2名まで、保護者除く)、学年を記入し、久留倍官衙遺跡公園ホームページの申し込みフォームから申し込むか、往復はがきでくるべ古代歴史館へ。