大勢の食卓にぎやか、老人ホームで「こども食堂」を初開催

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【子どもも大人も一緒に、にぎやかな食事会になった=四日市市西日野町】

 三重県四日市市の社会福祉法人四季の里、有料老人ホームオーロラで5月23日、初めての「こども食堂」が開かれた。70 人の予定が幼稚園や小中、高校生たちが誘い合って来てくれて約120人に。食堂に入りきらず、庭も使ってのにぎやかな食事会になった。入居のお年寄りを含め、広い世代が交流する楽しいひとときになったという。

 午後5時に始まり、30分ほど、子どもたちを中心にドッチボールをした。このほか、フラフープやなわとびをする子どもたちもいて、おなかが減った午後6時から、カレーライスなどを70人余が入れる部屋で一緒に食べた。食事の支度は老人ホームの施設でできるため、来月以降も、メニューを変えながら続けるという。

大人も子どももドッチボールで交流

 老人ホームには現在、65人が入居しているという。平均年齢で75歳を超え、100歳をになった人もいるという。慰問などで子どもたちが訪れることはあるが、介護・保育事業統轄管理責任者の杉本寿仁さん(54)は、「用意され、そのために子どもたちが練習してくる慰問とは違い、もっと、普段通りの子どもたちがやってきて、交流できるようにしたい」と考え、こども食堂を開くことを決めたという。

 地域の人に声をかけてきたこともあって、この日は大盛況。子どもたち、地域の大人たち、県立四日市南高校からも約50 人が来てくれたという。みんなが、自然に笑顔になって、「これ以上ない初回になりました」と杉本さんはうれしそうだ。

さわやかな庭での食事会も

 子どもの居場所をと、全国各地で活動が広がるこども食堂だが、ここでは、子ども同士、大人との会話もできるようになる。入居者のお年寄りも若い人との話ができる。世代を超えた交流が生まれる場として育てたいという。西日野地区の「ウェルビーイング(心身の幸福)」をめざしている。

 こども食堂は次回は6月13日午後5時から。月1~2回のペースで続ける計画だという。参加にはLINEでの受け付けが必要で、ホームページやインスタグラム、チラシなどでも案内している。(記事中の写真は杉本寿仁さん提供)

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