「歌がなくなったら、自分の大半が消える」四日市の声楽家 槙田栞さん 夏休み子ども向けオペラWSの講師にも意欲

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ピンク色のドレスを着て微笑む声楽家の若い女性
【四日市シンフォニックコーラス定期演奏会で=槙田さん提供】

 「歌うのが楽しくて仕方がない。辛くても乗り越えた先の感動を知っているので、ずっと続けたい」。笑顔で語るのは、四日市出身の声楽家、槙田栞さん(27)。国立音楽大学で声楽を学び、現在は中部地区最大のオペラ団体「名古屋二期会」準会員として研鑽を積みながら、年間4公演ほどの舞台に立っている。

 物心つく前から、母が所属していた合唱団「四日市シンフォニックコーラス」の練習や舞台が日常で、歌はすぐそばにあった。小学1年の時、四日市市民オペラ「ラ・ボエーム」に児童合唱団の一員として出演。以後、高校卒業まで「東員ひばり合唱団」で歌い続けた。

 大学進学後は、ひたすらレッスンの日々。2020年に卒業後、専門課程で西洋古楽コースに進んだが、当時はコロナ禍の始まり。帰省中に緊急事態宣言が発令され、2か月以上東京に戻れず、歌の活動が完全に止まってしまった。「歌いたくても歌えない。ZOOMで伴奏者と合わせようとしても、音がズレて無理だった」と、もどかしかった日々を振り返る。


歌は自分の根幹

 「歌がなくなったら、自分のかなりの部分が失われる気がする」と話す槙田さん。昨年、オペラ「アマールと夜の訪問者」で初めて題名でもある主人公アマール役を経験し、終演後の達成感から歌への情熱が一層高まった。「歌の素晴らしさを人に伝えたい」。

子ども向けオペラ講座参加者募集中

 8月10日に開かれる「こども四日市」主催の子ども向け講座「オペラを歌おう♪」の講師を務めることになり、「二重唱に挑戦したり動きをつけたり。自分で歌ってみたらオペラって楽しいと実感できる内容にしたい」と準備に余念がない。「夏休みの思い出に、ぜひ参加してみてください」と呼び掛けている。

◆こども四日市オペラ体験会「オペラを歌おう♪」
日時:2025年8月10日(日)10:30~12:00
会場:すわ公園交流館
対象:小学生
参加費:300ヨー(こども四日市の通貨)または300円
持ち物:飲み物、動きやすい服装
申込・問い合わせ:すわ公園交流館 ☎059-350-8411

「オペラを歌おう」のチラシを笑顔で持つ人々。
参加を呼び掛ける槙田さん(前列右)と「こども四日市」の実行委員ら=四日市市諏訪栄町で

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