三重県四日市市へ市民から寄せられた折り鶴がこの夏、8万300羽になり、7月28日、広島市と長崎市に送られた。一昨年と昨年は5万羽余で、大きく数を伸ばした。2025年が戦後80年にあたることや、2024年に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したことで、平和や原水爆への関心が高まったのではないかと市は見ている。
市は広報やホームページで4月中旬から7月中旬まで平和への願いを込めた折り鶴を募集した。届いたのは49の個人・団体からで、ほぼ等分にして両市へ送る。それぞれ広島市平和記念公園、長崎市平和公園に捧げられる。
1985年に市が非核平和都市宣言をしたころから折り鶴は寄せられてきたというが、市の広報やホームページでの紹介をきっかけに、とくに令和に入ってから寄せられる数が増えているという。平和への祈りが全国で広がるこの時期に折り鶴を送ることが、広く市民の間に認識されるようになったこともあるのではと市の担当者は話している。
市役所隣の市総合会館1階ロビーでは、8月19日まで、原爆と平和のパネル展があり、原爆の被害や投下の経緯などがまとめられているほか、折り鶴が平和のシンボルになったきっかけの物語や折り鶴づくりのコーナーなどがある。折り鶴募集を締め切ったあとも、届けられた折り鶴は次年度発送に加えるよう、受け付けを続けているという。