四日市花火大会が8月31日(日)、3年ぶりに帰ってくる。会場はこれまでの霞地区から千歳町のふ頭へと変更された。久々の開催に喜びの声が上がる一方、会場への入場が四日市市民8千人限定の抽選制となり、不満の声や改善を求める声もある。大会実行委員会に話を聞いた。
【市民の声】
YOUが6月紙面で実施した読者アンケートでは、「抽選なのが残念」「従来の誰でも見れる花火大会がいい」など抽選制への不満の声が複数あった。当選者の会場への入場方法が市役所発のシャトルバスに限られるため、バスの乗車場所を近鉄沿線の駅にしてほしいといった要望もあった。千歳町のふ頭から離れた別の場所にも観覧席を設けてほしいという声もあった。

【2022年 霞地区での最後の花火大会】
【開催地変更の背景】
四日市花火大会は、安全面の課題から2022年を最後に霞地区での開催は中止になった。実行委員会はその後、複数の候補地を検討。安全面やアクセス面などを総合的に判断した結果、千歳町のふ頭が唯一、安全に開催できる場所だと判断した。

【2024年 千歳町の埠頭で行われた打ち上げ試験の花火=四日市市提供】
【新会場の特徴】
霞地区では観客席と花火の打ち上げ場所までの距離(保安距離)が近く、打ち上げ可能な花火は5号玉までに限られていた。新会場では保安距離を十分に確保できるため、直径約30㌢の「一尺玉」も打ち上げ可能になった。花火の製造から打ち上げまで手掛ける高木煙火株式会社の高木大輔社長は「一尺玉の迫力は段違い。場所が変わり、見ごたえのある花火が上げられるようになった。高く上がるので離れた場所からも見える」と話した。
【実行委員会の説明】
実行委員会によると、無制限に人が集まると安全確保ができなくなるため、会場の収容人数は最大8千人に設定した。2万6500人の応募があったが、当選者のみに当選はがきが8月初旬に届く。抽選から外れた人や応募しなかった人もライブ配信やテレビで花火を楽しむことができる。
入場をシャトルバスに限定したのは、渋滞の発生を緩和するため。別会場での観覧席の設置は、安全確保のためにさらなる調査が必要となるため、今回は見送った。今年の動向を見て、関連企業や地元自治会からの意見も参考に検討し、来年度の人数制限や抽選制の継続などについて判断する予定だ。市民の期待にどう応えるか、今年の花火大会はその試金石となる。
実行委員会では四日市花火大会公式サイトで情報発信している。