三重県四日市市楠町南五味塚地区で10月に行われる「南楠鯨船まつり」に向け、南楠鯨船保存会が8月31日、鯨作りに欠かせない竹取り・竹割り作業を行った。朝8時、南御見束神社に20代から70代までのメンバーが集合し、2トントラックを含む9台の車に分乗して、釆女町の竹やぶへと向かった。
鯨は毎年新調
金装飾の鯨船が、張り子の鯨親子を追い、船上の踊り子がモリを放つ――。勇壮な一連の演技が見どころのこの祭りは、幕末頃から年中行事として行われていたと伝えられる伝統行事。鯨は激しく転げ回ったりして壊れてしまうため、毎年新調するのが習わし。竹取りはその第一歩となる。
竹50本を確保
竹取りの現場に到着したメンバーらは、5人ほどの若手が竹やぶに入り、3台のチェーンソーで太い竹を切り出すと、待ち構えた数人がリレー方式で竹を運び出した。その先で、葉や枝など不要部分を鉈で落とし、次々とトラックに積み込んでいく。同保存会会長の竹野兼主さんは、「人数が多いとまとめるのは大変だが、作業が早くてとても助かる」と話す。

この日は例年より多い50本を確保。理由は、今年は親鯨に加えて子鯨も作り替えるためだ。壮年のメンバーの1人は、「竹取りや竹割りは、祭りでは敵対する『鯨の役』と『鯨船の役』が一緒になってやるのが特徴」と笑顔で語った。
神社で竹割り作業に汗
1時間半ほどで切り出しから積み込みを終え、神社に戻ると、待機組が準備していたブルーシートや日よけテントの下、竹を並べて竹割りの作業に移った。竹割り器で割いた後、鉈で節を取り、電動カンナで削る。「節がなくなると、なめらかになり曲がりやすく加工しやすくなるんです」。
役割分担はここでも明確で、メンバーらは吹き出す汗をものともせず、作業に打ち込んだ。

鯨作りは9月から本格化
今年の鯨作りは、来週から3週にわたって土日に実施される予定。昨年までの「日曜・終日作業」から、より多くの人が参加しやすいよう「土日・午前のみ」へと変更された。9月下旬からは練習が始まり、10月11・12日の本番を迎える。