三重県の四日市市議会は9月11日、本会議で一般質問があり、フューチャー四日市の小田あけみさん、加納康樹さん、樋口龍馬さん、新風創志会の辻裕登さん、谷口周司さん、山田知美さんの計6人が質問に立った。物価高対策にプレミアム付き商品券を市独自で発行すべきとの提案もあった。
市長「やりたいのが正直なところ」
プレミアム付き商品券を提案したのは谷口さんで、今月だけでも全国の約120の自治体が取り組んでいるとして、2022年に発行された「よんデジ券」のような取り組みを今こそすべきだと迫った。財源としては、約160億円まで積み増しされている財政調整基金などを挙げた。
答弁を求められた森智広市長は、「よんデジは非常に喜んでいただいた記憶もあり、できればやりたいのが正直なところだ。しかし、プレミアム商品券を行っている自治体は物価高の交付金を財源に活用している。四日市は、それを給食費の食材の物価高騰分に回しており、今、商品券を発行しようとすると、すべてを市の一般財源でやらなければならない。物価高はこの先も続くと思うので、何が適切かを検討していきたい」などと話した。
中間的就労にあらたな存在意義を
樋口さんは、「中間的就労」をあたらしい労働の概念として解釈し、市独自に生活困窮者の働き方として位置付けていけないかと提案した。一般的に、中間的就労は通常の職業に就く「一般的就労」が難しい公的扶助の対象になっている障害者や高齢者などに、本格的な就労に向けた準備として、自立や社会参加のために働くことを意味するが、樋口さんは、農作物の選別や漁網の製網などを例に、生活困窮者が手掛けることができて、仕事としても成立するものがあれば、それが「中間的就労」であってもよく、行政としても支援できるのではないかと問題提起した。
総合会館に使い勝手のいい授乳室を
辻さんは、市役所本庁舎や隣の市総合会館に利用しやすい授乳室がなく、案内表示を見てもよく分からないと指摘し、せめて総合会館を訪れる親子のためにも検討をと求めた。市側は、総合会館3階にある「すくすくルーム」で授乳は可能と説明したが、使い勝手がよくないことは認識したとし、今後の全館の利用見直しの中で整備していくと答えた。市役所の窓口時間の短縮や公共施設予約システムについても取り組みを聞いた。
太陽光発電建設でのトラブル、投票率アップ策、外国人市民の定着支援
小田さんは、農地転用に伴う太陽光発電施設建設について、実際にあったトラブルなどを例に、当事者の打ち合わせに自治会が立ち会うなど、問題が起きないルールを検討し、指導してほしいと求めた。
加納さんは、選挙の投票率を上げる施策を求め、こにゅうどうくんなどの図柄の投票済み証を発行し、SNSなどで投票呼びかけに使ってもらうことなどを提案した。回答の中で、市側は投票所への送迎タクシーの乗車条件について、障害者団体と話し合うなどして改善を図りたいとも述べた。
山田さんは、市内に住む外国人が、かつての短期労働者から、永住する市民へと変化していく時代を迎えたとして、市の多言語対応の取り組み、日本語を学ぶ機会、定着支援策、納税に関する問題の解決方法、外国人児童・生徒への教育や進路面での支援など、幅広く市の取り組みや考え方などを質問した。