菰野町のアクアイグニス、不動産は星野リゾート・リート投資法人へ、運営やサービスなど変わらず

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【不動産資産が星野グループ・リート投資法人の運用資産に入るアクアイグニス=三重県菰野町】

 株式会社アクアイグニス(本社・東京、立花哲也代表取締役)は、三重県菰野町の複合温泉リゾート施設「アクアイグニス」と別邸の「湯の山素粋居」の不動産資産を星野リゾート・リート投資法人(東京)に譲渡し、同投資法人の運用資産に組み入れられると発表した。施設の運営は引き続きアクアイグニス社が行うため、店舗やサービスなどに変わりはなく、グレードアップのリニューアルも計画中という。

 アクアイグニス社は、三重県多気町の「VISON」など全国で10以上の宿泊・商業施設を展開しており、今回の取り組みは、今後の全国でのリゾート施設開発を見据え、安定的な運営基盤を確保し、より持続可能で効果的な施設運営を進めるものと説明している。

アクアイグニスはアップグレードへ

 同社のメッセージなどによると、2012年にオープンしたリゾート施設のアクアイグニスは、13年の経過によりハード・ソフト両面で改修・進化が必要な時期を迎えたと判断、2026年7月ごろをめざし、大規模なリニューアルを行う予定という。100%源泉かけ流しの「片岡温泉」には要望の多かったサウナや水風呂を新設、休憩スペースもよりくつろげる空間設計にする。宿泊施設や商業エリアも、利用客のライフスタイルに合わせ、アップグレードするという。

 全国展開では広島県の廿日市市、福井県内の複数カ所、静岡県小山町でのリゾート施設やオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)などの計画を発表しており、今後のさらなる展開を続けるうえでも、今回の同投資法人との協業による余裕資金の確保などが欠かせないと判断したという。

 星野リゾート・リート投資法人のプレスリリース資料によると、アクアイグニスに関する売買契約締結日は10月17日、取得予定日は11月4日。取得予定金額は約59億5300万円。

 同投資法人はホテル、旅館や付帯施設に対する投資を行う観光特化型リート(REIT、不動産投資信託の略)で、リーマンショック後、日本の観光施設への投資が停滞する中、星野リゾート代表の星野佳路氏が「所有と運営の分離」モデルを確立し、2013年に上場、業界にあらたな資金調達モデルを提示したとされる。投資対象は星野リゾートグループが運営するホテルなどのほか、星野グループ以外の有名ホテルなども含まれる。

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