三重県四日市市の市立浜田小学校で11月25日、創立150周年を祝う会があり、記念に児童、保護者、卒業生らが集まって、一緒に校歌をうたった。会場になった体育館は参加者でいっぱい。世代を超えた歌声が高い天井に響き、母校への愛情で満たされた。
地域の人を巻き込んで準備
普通の式典で終わらせず、親子4代の「浜田っ子」もいる地域に広く声をかけ、子どもたちが主人公になる会にしようと、前田賢一校長ら教員らが相談を重ねたという。80歳代になっても歌詞を忘れない卒業生は多く、校歌で気持ちをひとつにして150周年を祝うことにした。校歌をうたう練習を事前に3回開くなど、地域の人を巻き込んでの準備が進められた。
体育館では、子どもたちによる映像や写真を使った発表があり、昔の浜田小学校のことも紹介した。スクリーンには菜の花を描いた学校の絵も。60余年前に卒業したOBは、学校の周りで菜の花が一面に咲き誇っていた風景の記憶があるという。今は住宅や会社が立ち並ぶ町の真ん中の学校だが、校歌の歌詞に菜の花が出てくる意味を、子どもたちは理解したという。

校歌の4番を子どもたちがつくる
浜田小学校の校歌の作詞は、同校の卒業生でもある文学者で文化勲章受章者の丹羽文雄さんが書いた。3番まであるが、今回、子どもたちは自分たちで考えて4番をつくり、合唱して発表した。

そして、いよいよ大合唱の時。児童たちと、参加した大人たちは、体育館の中で向き合って、ピアノ伴奏に合わせてうたった。当初は運動場でうたう計画だったが、雨が降ったための変更。室内になった分、歌声が響いて、迫力のあるひとときになった。

1000人にも迫る大合唱
学校によると、この日の参加者は児童が500人弱。それと同じくらいの面積に大人たちが集まっていたので、全体で1000人には届かないものの、800人にはなるのではないかという大人数だった。学校では参加者の集計を急いでいるという。集まった人全員が世代を超えて、気持ちをひとつにしてうたいあげた。
子どもたちがつくった4番の歌詞は以下の通り。
灯高く あたためつ
先人の意志 受け継がん
歴史 誇らし わが街と
希望もち 歩んでゆこう
浜田なる 学びの 庭と
永遠に 歩む









