新図書館の概算総事業費127~157億、四日市市「地権者9名中8名から協力の意向確認書」

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【赤い線が新図書館の事業範囲で、青い線が借地の意向の範囲(議員説明会の資料から)】

 三重県四日市市議会の議員説明会が8月4日あり、市側が新図書館計画の進捗状況やJR四日市駅前に設置する新大学の基本計画案について説明した。新図書館は対象となる土地の地権者との交渉が進み、現時点で、9名のうち8名から協力の意向を「確認書」のかたちでもらったとし、残る1名も前向きに検討してもらっているとした。概算総事業費が127億円~157億円とみていることも明らかにした。

 建設の計画地は三滝通りと諏訪新道の交差点の角地にあたり、事業範囲としては約3700平方メートル。この日示された図では、全体のうち、半分強は借地になる見通しだ。建物整備費を120~150億円とみており、これに用地買収費と建物等補償費の合計約7億円をあわせた金額を概算総事業費として示した。借地料についてはこれらとは別に協議しているという。

200台の併設駐車場、交流スペースを組み入れ

 新図書館の建物については、角地に新図書館の主要な施設が建ち、諏訪新道や三滝通りから奥になる部分に200台の併設駐車場が想定されている。フロア構成は、これまでに高校生を含む多くの市民から希望が寄せられており、それらの検討から現段階でのイメージが示された。

新図書館の建物と駐車場の配置(議員説明会の資料から)

 基本的には児童・子育て・バリアフリーを下の階に、調べもの対応を上の階に配置する。近鉄四日市駅前の旧スターアイランド跡地での計画段階では組み入れるのが難しかった交流スペース(多目的ホール)を1階に入れるという。1階にはカフェ、2階にワークショップスペースを設け、市民の様々な活動に使えるようにしたという。

新図書館のフロア構成のイメージ(議員説明会の資料から)

 市議からは、「土地は買い取りが基本の方針ではなかったか」との質問もあったが、市側は「買い取り、借り入れを問わず、最も投資効果のある方法で考えている」などと答弁した。

新大学の経済波及効果も試算

 新大学の基本計画案は、7月23日に四日市市大学基本計画策定委員会が提出したもので、議員に詳細に説明された。教育・研究活動や学生・教職員の消費活動がもたらす経済波及効果を年間34.7億円、施設整備による経済波及効果を721億円とする試算も示された。中央通りからJR四日市駅側を見たエントランスのイメージ図も公開され、大学や駅に向かうエントランスが広くとられ、向かって左に商業施設、中央に大学の低層階、その奥に大学の高層階が見える構図になっている。

中央通りからJR四日市側を見たエントランスのイメージ図(議員説明会の資料から)

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