海星高校の生徒が考案「かぶせどらやに」誕生 四日市の味、若者に届けたい

【かぶせ茶どら焼きを手にする海星高校の生徒】

 若い人にもかぶせ茶の魅力を伝えたい――海星高校(三重県四日市市追分)の生徒が、地元特産のかぶせ茶を使ったどら焼きを考案した。三重弁を使っての商品名は「四日市から来たんやに かぶせどらやに」。地元の和菓子店「菊屋本店」(同市釆女町)で10月2日から販売する。

かぶせ茶をふんだんに使ったどら焼き

海星高校の国際数理コースの2年生は、地域振興をテーマにした授業で地域の生産者や企業などと協力して商品を開発している。これまでにも、四日市産の梨を使ったフルーツサンドや、乳糖不耐症の人でも食べられる牛乳を使ったドーナツなどを考案し、販売してきた。

開発した生徒は

 昨年、国際数理コースの小野寺梓さん、市丸未來さん、川本歩夢さん、水谷妃良さん、稲垣みなみさんのグループは、日本茶離れや和菓子離れが若い人たちに見られることから、四日市の特産品のかぶせ茶を使った商品を考え始めた。昨年6月に開発をスタートし、11月に菊屋本店へ連絡。今年1月から打ち合わせを重ね、試作を繰り返して完成させた。
 

海苔に似てる?!

 これまで、5人はかぶせ茶と認識して飲んだ経験がなく、県の伊勢茶振興班の職員を招いて試飲もした。ペットボトルの緑茶とは違い苦みを感じたが、稲垣さんは、かぶせ茶の旨み成分のグルタミン酸に反応し、「風味が海苔に似ている」と感じたという。かぶせ茶を使ったカステラや団子も候補に挙がったが、既に商品化されているものもあり、和菓子の中でも手軽に食べられるどら焼きに決めた。
 

可愛いパッケージも生徒の考案

極上の逸品に

 材料選びにも時間をかけ、今年1月から同店と打ち合わせを始めた。どら焼きの皮で、粒あんと求肥、こしあんを挟み、さわやかさを出すため、オレンジピールを粒あんに混ぜた。白あんにかぶせ茶を練りこみ、求肥にもかぶせ茶を混ぜた。当初、かぶせ茶の風味を感じにくく、納得のいくまで試作を重ねた。その結果、ほかにはない、極上の逸品に仕上がったという。餡が苦手だったメンバーも、かぶせ茶の風味で美味しく食べられたという。

どら焼きを販売する菊屋本店

 個性が光るネーミング
  「四日市から来たんやに かぶせどらやに」は、四日市土産にしてほしいと考えての商品名。地元らしい語感に、協力した菊屋本店の米川晃聡さんも「自分たちでは考えつかない名前」と驚いたという。


 メンバーは「普通のどら焼きでは味わえない美味しさ。かぶせ茶の風味をふんだんに活かしたので、ぜひ食べてほしい」と呼びかけている。
 販売は同店で10月2日(水)から。期間限定商品ではなく、定番商品として販売する。価格は1個260円。

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