三重県の四日市市議会は9月10日、本会議で一般質問があり、政友クラブの伊藤嗣也さん、森川慎さん、森康哲さん、荻須智之さん、フューチャー四日市の伊世利子さん、後藤純子さんの計6人が質問に立った。市立四日市病院の将来の建て替えをにらみ、補助金で有利な中心市街地の区域を広げる提案や、水道水や河川、海などのPFAS(有機フッ素化合物)や農薬の汚染にどう向き合うかなどの質問もあった。
中心市街地を広げるべき
伊藤さんは、兵庫県姫路市の施策と比較しながら、四日市市も中心市街地や都市機能誘導区域を拡大すべきだと指摘した。特に、市立四日市病院がまもなく大規模な建て替えを迎えるとして、拡大した地域に病院が入れば、国の補助金を受けるうえでも有利になると主張した。市側は今の状態をただちに変更する考えはないと回答した。
「沈黙の春」にならないよう
荻須さんは、水道水のPFASの数値を市上下水道局の調査結果などから指摘。米国が基準値を厳しくしたのと異なり、日本は甘い規制になっているとして、市独自に調査や除去の施策をする方針はないかと質問した。市側は、基準を超えていない現状では、その方針はないとした。荻須さんは、四日市の漁獲量が減っている背景にネオニコチノイド系農薬が影響している可能性を指摘、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を引き合いに、適切な農薬の使用について市が農業従事者を啓蒙するよう求めた。
戦争の実相どう伝える
森川さんは戦後80年の節目に、戦争の実相を後世にどう伝えていくかを、市の平和や非核の取り組みを含めて質問した。田中角栄の言葉「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない」の言葉も引用した。
霞ヶ浦緑地付近にJR駅を
森さんは地区別のまちづくり構想を取り上げ、霞ヶ浦緑地付近にJR新駅を設置する可能性について提案した。近鉄霞ヶ浦駅の西口整備については現状を質問したが、市は、JRに問い合わせたものの。すぐに事業化する考えはないとの回答だったと答弁した。
空き家活用、みどりの食料システム戦略、不妊治療
伊世さんは、福祉の機能をもつ高齢者シェアハウスを生み出すなど、空き家の活用への取り組み状況や、「みどりの食料システム戦略」への施策について質問した。
後藤さんは不妊治療の助成などの状況を質問したほか、神奈川県横須賀市のLINEによる妊活相談など民間の取り組みも紹介した。