地下駐車場は公共事業で復旧、施設取得の方向、四日市市が議員説明会で伝える

【地下駐車場の復旧について説明する森智広市長(前列左から2人目)=四日市市議会】

 三重県四日市市は11月7日の議員説明会で、大規模な浸水被害が起きた地下駐車場「くすの木パーキング」のうち、民間会社(第3セクター)のディア四日市が所有している施設を取得し、公共事業として復旧を急ぎたいとの考えを説明した。取得に向けた必要な調査を予備費約1000万円で行い、施設取得の関係議案を11月議会に提案したいという。

事業全体を引き継ぐのではなく財産処分として取得の意向

 森智広市長ら幹部が出席して考え方を説明した。森市長はこれまでの記者会見などで、市が直轄で復旧させるしか手はないのではないかとの考えを一部述べていたが、正式に議会に伝えたかたちだ。ディア四日市の事業全体を引き継ぐのではなく、財産処分の形で施設の取得をし、公共事業として復旧させられるようにしたいという。

 市側は、2024年度の地下駐車場の利用台数が36万1253台で、1日あたり換算で約990台になっていると説明。時間貸しだけでなく、近隣事業者やマンション住民の駐車場にもなっているとした。さらに、中央通り再編に伴うプロジェクトが動き出したことで、周辺ではホテル4棟、オフィス6棟、マンション29棟が着手、竣工するなど民間投資が進んでおり、市のまちづくりを考えるうえでも必要不可欠な都市基盤施設になっていると説明した。

ディア四日市からは対応は困難との見解

 このため、地下駐車場は、国が管理する国道1号下の区域と合わせ、足並みをそろえて復旧させる必要があるとした。しかし、ディア四日市からは、すでに、復旧に必要な資金力や人的資源がなく、市が財政支援をするにしても対応は難しいとの見解を示した要望書が届くなどしており、市の施設にして、国などの補助も活用しながら公共事業として復旧させることが現実的だと説明した。  

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