暦の上では春となり、四日市市楠歴史民俗資料館(楠町本郷)では、毎年恒例の人気企画「新春を彩る創作 古布細工と雛飾り展」が始まった。人気の吊るし雛に加え、七夕をテーマにした作品や花魁道中を再現した人形など、これまでとは趣向の異なる展示が訪れる人を楽しませている。

雛飾りの展示は、楠の女性グループが8年間続けてきた新春の風物詩だったが、作り手の高齢化により2年前に活動を終えた。その後、資料館の運営委員が新たな協力グループを探し、昨年も展示を実施。会期中には800人以上が訪れたという。
今年は、四日市や鈴鹿を拠点に活動するグループ「華楽」に依頼。例年は四日市市文化会館で展示を行っているが、同会館が工事中のため、今年は資料館での開催となった。
和傘が迎える春の入口

入口では、毎年恒例の和傘が来館者を迎える。今年はちりめん細工のウサギが吊るされた和傘が飾られており、飾りの重さで傘が傾かないよう、人形を上に載せてバランスを取る工夫が施されている。土間を上がると、ハマグリの貝殻を使ったひな人形や、今年の干支・午の人形など愛らしい作品が並ぶ。
かんざし選びにもこだわった猫の花魁
今年の見どころは、桃の節句の吊るし雛に加え、端午の節句や七夕をテーマにした吊るし雛、さらに猫をモチーフにした花魁道中の人形展示だ。

花魁人形は、大人の女性や和雑貨好き、古布ファンの間で人気が高まっている。華楽のメンバーは1年前から制作を始め、大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」をヒントに猫の花魁道中を表現。花魁らしさを出すため、指導者の中川泰子さんは静岡県の手芸店まで足を運び、ドール用のかんざしを選んだ。ネット通販では大きさが分かりにくいため、実物を確認したかったからだという。花魁だけでなく、禿(かむろ)や若い衆の猫人形も制作し、可愛らしい道中が再現されている。

メンバーは四日市や鈴鹿で制作を続けており、半年以上かかる作品もある。同じ型紙を使っても表情に個性が出るのが魅力で、その違いを見比べるのも楽しみのひとつだ。中川さんは「メンバー皆さんの努力の結晶。ぜひ見に来てほしい」と来場を呼び掛けている。

展示は3月5日(木)までで、観覧無料。月曜休館(祝日の場合は開館)。2月22日(日)にはアンサンブルグループ「ムジクス」によるミニコンサートも開かれる(予約不要、先着40人程度)。問い合わせは同館(059-398-3636)。









