四日市でレスポンシブル・ケアの地域対話 化学と安全の認識深める

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 「第8回レスポンシブル・ケア四日市地区地域対話」が28日、三重県四日市市内であり、化学物質を扱うことと安全管理について、企業と地域住民らが意見を交わした。対話は2年に1度開いてきたが、新型コロナの感染拡大もあって、2018年以来4年ぶりの開催となった。【化学物質の安全な管理についての企業の取り組みに耳を傾ける地域住民ら=四日市市西新地】

 化学物質は生活を便利にするのに欠かせないが、取り扱いを誤ると大きな事故や公害などの社会問題を引き起こす。レスポンシブル・ケア(RC)は、化学業界の自主的な取り組みで、化学製品の製造、物流、使用、リサイクルなどの各段階で、環境、安全、健康に十分に配慮し、その取り組みや成果を公表することで社会で共通認識を得ようとしている。

 会場のプラトンホテル四日市には自治会役員、自治体関係者、四日市のコンビナート企業関係者ら100人近くが出席、リモートと合わせ約120人が参加した。RCの対話は四日市を含む全国15地区で開催されており、四日市の対話の会は一般社団法人日本化学工業協会RC委員会の四日市地区会員企業13社が主催した。

 会では、三重県環境生活部大気・水環境課から化学物質に関する法令について解説があったあと、石原産業四日市工場が、化学物質を安全に取り扱うための情報伝達策、丸善石油化学四日市工場が、陸上輸送を中心に、化学物質の安全な輸送をどう実現するかについて事例発表があった。

 発表後、地域住民から巨大地震対策や津波対応について質問があり、企業側からは、タンクが浸水で浮いてしまわないよう、一定の重さをもたせていることや、緊急時は工場を閉門し、工場から物が外部に出ないように準備していることなど、対策が紹介された。

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