悲しみ乗り越え思いつなぐ 朗読の会「創芸」発表会

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 朗読を通して、心豊かに生きようと活動する朗読の会「創芸」は、6月10日(土)に、四日市市文化会館第3ホールで第12回「大人のための朗読」を開く。3月に約半年間、闘病生活を送りながら復帰を目指していたメンバーの伊藤康彦さん(享年81)を亡くした。追悼の朗読会でもある。

 2017年に6人で発足した当時のメンバーで現在唯一残る小野田紀子さん(75)は、2年前に引退した前代表から同会を引き継ぎ、メンバーの入れ替わりに対応しながら活動を牽引してきた。

 伊藤さんの訃報を受けたのは、はもりあフェスタでの出演前日のこと。当日の本番時刻が告別式と重なった。「緩和ケアを受け、1月末まで1人で読む練習をされていた。また一緒に発表するのを楽しみにしていました」。練習に集まった現メンバー4人は、一様に伊藤さんを偲んだ。

 発表会では、それぞれが選んだ文学作品の他、伊藤さんが最後まで練習していた小川未明の短編「野ばら」を分担して読む。「ロシアのウクライナ侵攻を憂うかのような作品。伊藤さんの思いをつなげたい」。 当日は、午後2時開演。入場無料。問い合わせは小野田さんTEL090・7852・8985へ。

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