いよいよ来週開催! 「2023東海・北陸B‐1グランプリin四日市」 20団体が出展

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【出展する20団体の提供グルメ】

 ご当地グルメの祭典「2023東海・北陸B‐1グランプリin四日市」が11月18、19日の2日間、四日市市中心部の三滝通り周辺で開かれる。当初は3年前に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。悲願の地元開催に臨む「四日市とんてき協会」のこれまでの道のりを取材した。

 2019年春、「東海北陸B‐1グランプリ」を四日市で2020年5月に開催することが決定。東京五輪と同じ年で、まちおこしの絶好の舞台となるはずだった。
新型コロナウイルスの猛威の前に、あらゆるイベントが中止や延期になる中、同グランプリも開幕の約2か月前に開催見合わせが決まった。既に街中にはポスターなどの掲示が進み、PRイベントも行われた中での苦渋の決断だった。21年、22年も開催は見送られたが、四日市とんてき協会の事務局長・西村忠則さん(53)は「開催できる時までパワーをためておこう」と、協会メンバーを励まし続けた。

 今年、3年6か月遅れでの開催がついに決定。待った時間の分、高まった熱い思いが11月の2日間で解き放たれる。西村さんは「たくさんの人の支えで、ここまで続けることができた。まちの魅力を感じる時間になってほしい」と期待する。 詳しい参加団体やチケットの購入方法などはイベントのホームページ(https://b1yokkaichi.jp/)を確認する。開催日の前後には交通規制も実施。会場周辺は渋滞も予想されるため、公共交通機関の利用を呼びかけている。問い合わせは実行委員会(TEL059・354・8286、当日は080・3217・5379)。

「まちおこし? 無理やろ」 苦難の船出から「とんてき」浸透

 分厚い豚肉をニンニクと一緒に濃いたれをからめて焼き上げた、戦後間もないころからの地元のソウルフード「四日市とんてき」。西村さんは、前身の任意団体「Projectとんてき四日市」の代表だった。2008年、市職員の自主研修グループがきっかけで市内の店を食べて回り、「とんてきMAP」をメンバーの自費で制作。しかし、当時は「こんなんいらん」「とんてきでまちおこしなんて無理やろ」といった反応ばかりだった。西村さんは「暗い荒波の海に小舟を浮かべて乗り出したような状態だった」と当時を振り返る。

四日市とんてき協会の皆さん(提供写真)

 同年10月、アドバイザーだった四日市大学准教授の小林慶太郎さんを代表とし「四日市とんてき協会」が発足。市制111周年に合わせ、食品メーカー「コーミ」(名古屋市)と「四日市とんてきソース」を開発した。 2010年には、B-1イベントを運営する「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」(通称・愛Bリーグ)に県内で初めて加盟。一般社団法人格も取得した。

挫折乗り越え 

 神奈川県厚木市で開催された「第5回B-1グランプリ」にも初参加。しかし、会場での予想を超えるエネルギーにメンバーは圧倒された。同協会が食材しか用意していなかったのに対し、他団体はまちおこしを強く意識し、独自のキャラクターを使っての演出などにもこだわり、イベントを盛り上げていた。
 段取りもうまくいかず、2日間のイベントに憔悴して四日市に戻ったメンバーを、それまでも交流があった四日市市文化会館(安島)内のレストラン「グリル四日市」の丹羽則夫シェフは叱咤激励。「次からは現場に行くよ」との言葉に、西村さんは「本当に心強かった」と目頭を熱くしながら振り返る。

 その後は体制を強化し、イメージキャラクターの「テキブ~」も誕生。「四日市とんてき」ののぼり旗や市内でとんてきを食べることができるお店を掲載した新しい「とんてきMAP」の作成などにも取り組み、次第に「四日市とんてき」の知名度は徐々に高まっていった。

グルメの祭典「そのまちに行きたくなる」

 「東海・北陸B-1グランプリin四日市」には、東海・北陸エリアの15団体の他、青森県十和田市や山梨県甲府市などゲスト5団体の計20団体が参加する。西村さんは「各団体の熱い思いを感じることができ、そのまちに行きたくなるはず」と話していた。

これまでの経緯などを話す西村さん=四日市市安島

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