【じもとの味 発見】マツタケとシイタケのいいとこどり 四日市のINSが開発した「松太郎」

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【菌床の様子を見る従業員=四日市市高角町】

 マツタケとシイタケのいい所取りのきのこ「松太郎」は、株式会社INS(四日市市高角町)が開発、地元のスーパーやネットでも販売され、一流料理店でも提供される。贈答品として買う人もいる、人気商品だ。

 シイタケを生産していた同社が、他にないものを作ろうと2018年ころから開発を始めた。マツタケ自家栽培研究の中で偶然発見されたシイタケ由来の菌を入手。温度と湿度をコントロールした栽培室で、おが粉と栄養を撹拌して成形・殺菌し、菌を接種させたものを、およそ4か月培養させる。その後、栽培棟に菌床を移動させ1週間ほどで収穫。規格品の基準に該当したものを「松太郎」として出荷し、規格外品は乾燥加工する。その際、特殊乾燥機でビタミンDを増加させ「乾燥松太郎」として出荷する。

松太郎を手にする伊藤取締役

 19年から販売を開始し、20年には道の駅菰野でも販売し始めた。栽培で使うのは環境省選定の名水百選に選ばれた「智積養水」で、みずみずしくふっくらした肉厚なキノコになるそうだ。

 研究機関により、うまみ成分のグルタミンがシイタケの4倍、食物繊維はシイタケの8倍あるなど豊富な栄養を含んでいることが分かった。美味しさが評価され、四日市市の日本料理店「呼月」や東京のナチュラルフレンチレストラン「ミクニマルノウチ」のメニューに使われる。

 代表取締役永石俊夫さんは「研究に研究を重ね、うまみがギュッと詰まった。美味しさと機能性を持ったきのこ松太郎をぜひご賞味ください」と語った。