「地元で創作の楽しさ共有を」 四日市で長年自主映画制作の市川さん 映画祭開催へ

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【映画祭への来場を呼び掛ける市川さん】

 1980年代から映像制作を続けてきた四日市市の会社員・市川良也さん(57)が8月11日(日)、同市海山道町の三浜文化会館で「海山道インディペンデント映画祭」を開く。全国各地の自主映画のコンテストで受賞した自作短編映画の数々を、生まれ育った四日市で初公開するとともに、「地元でもっと創作の楽しさを共有したり、クリエイターが交流できたら」と話している。入場無料。

 同映画祭は4部構成。会場は同会館2階の視聴覚室で、午前10時からと午後1時から市川さんが制作した約20分から30分の作品を各部1回ずつ上映。午後3時からの第3部では、6月末に菰野町で開催された「菰野ふるさと映画塾」による最新作「おばあちゃんのぬか漬け」がこれも一般向けには初公開される他、関係者によるトークも行われる。第4部は同6時から。市川さんが映画制作人生で出会ったクリエイターらの選りすぐりの短編の上映で映画祭のラストを飾る。

【映画撮影中の市川さん(左)=市川さん提供】

◆四日市の製パン所でロケ

 今回公開する市川さんの監督作品の1つ「村上・春木のパン屋終劇」(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション、横浜映像天国2022等で入選)は、1937年創業の「大栄軒製パン所」(同市朝日町)で撮影が行われた。以前から同店の前を通るたびに、そのレトロな佇まいに「趣のある店だな、ここで撮影したいな」と思っていたそうで、2021年秋に撮影の許可を得た。「昭和の雰囲気の中、8ミリ映画をテーマに自分の若かりし頃を振り返った作品です」。撮影時はコロナ禍と台風に悩まされつつも、1980年代と現代を行き来するSF青春物語に仕上がった。

【大栄軒製パン所でのロケ風景=市川さん提供】

 ◆多文化共生をテーマに

 近年市川さんは、「多文化共生」をテーマとした作品も多く手掛けている。「妻が日本語教師をしている縁で、多くの国から日本に学びに来ている人々との出会いがあった。基本的に住居と学校や仕事先との往復が日本での生活のすべてになっている彼らに、それ以外のコミュニケーションも経験してもらえたら、という思いがある」。同映画祭で上映する作品には、フィリピン・スリランカ・バングラディシュ・ネパール・ウズベキスタン・ブラジル・ベトナム・ミャンマーの人々が出演している。「四日市ロケの作品でも方言は使っていないんです。外国人をはじめ、誰が見ても伝わりやすいグローバルな作品づくりを心掛けています」とにこやかに語る市川さん。全国各地の映画祭に足を運んだが、自身では初めて開く映画祭。多くの来場を呼び掛けている。問い合わせは海山道インディペンデント映画祭実行委員会Eメール(miyamado.imf@gmail.com)へ。