「苦しい思いをする子、救いたい」精神科医さわさん 著書138冊を故郷・四日市市に寄贈

5人の人が並んで立っている。右から書籍を持った関係者、感謝状を持った精神科医さわさん、目録を持った森市長、書籍を持った関係者2人。
【感謝状を持つ精神科医さわさん(右から2人目)、目録を持つ森智広市長(中央)、寄贈された図書を手にする教育関係者ら】

 三重県四日市市出身の精神科医さわ(本名・河合佐和)さん(41)=名古屋市在住=が、著書「児童精神科医が『子育てが不安なお母さん』に伝えたい 子どもが本当に思っていること」(日本実業出版社)138冊を地元の四日市市に寄贈した。8月1日、市役所で寄贈式があり、森智広市長が感謝状を贈った。


子どもたちの声と自らの経験から生まれた本

 さわさんは、5歳から大人までを対象に診療を行う「塩釜口こころクリニック」(名古屋市天白区)院長。診察室で出会った子どもたちの声に加え、不登校となった長女との日々と不安を抱えながらの子育て体験、自身の生い立ちや葛藤を正直に綴った同書は、累計5万部を超えるベストセラーとなっている。

 寄贈式では、森市長から感謝状を受け取ったさわさんが、「苦しい思いをする子どもを救いたいという願いを込めて書いたこの本を、1人でも多くの子どもたちや保護者、先生方にお届けしたいです」と語った。また、YouTubeや音声アプリVoicyを通じた子育てに悩む人々への情報発信を続けていくことや、今後の執筆活動にも意欲を示した。

『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』の書影。中央に短髪の子どもの顔のイラストで、全体の色はクリーム色の装丁。
『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』書影=精神科医さわさん提供

 森市長は「子どもたちの心に寄り添い、理解を深めるための書籍が、今まさに求められている」と述べ、廣瀬琢也教育長、西村敦志こども未来部長らとともに、四日市市における児童精神医療の現状や課題、支援のあり方についてさわさんと懇談した。

教育・保育の現場へ

 寄贈された書籍は、市内の保育園や小中学校・教育委員会・図書館などに配布される。子どもに関わる多くの人に届けることで、保育の充実や教育の振興の一助になることが期待されている。

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