四日市市在住でOSK日本歌劇団出身の可愛アンリさんと息子で舞台俳優の山本航大さんが9月7日、同市本町の本町プラザで行われた地域の敬老行事「第28回 中央地区ふれあいの集い」(四日市市中央地区社会福祉協議会主催)の一環として「可愛アンリ・山本航大 里帰りコンサート」を開き、約1年半ぶりに共演した。
ふるさとで特別な時間
航大さんは小学6年から中学1年の1学期まで大阪に移り、劇団四季の子役として舞台に出演していたが、それ以外の期間は四日市で暮らし、高校生になるまでこの地域で育った。この催しには70歳以上の地域住民が招待され、会場には航大さんの子ども時代を知る人やアンリさんの知人も多く訪れ、ふるさとで歌う特別な時間となった。

互いに表現者として
今回のコンサートでは、約1時間にわたりミュージカル曲を中心に懐メロやポップス、童謡まで15曲を歌い上げ、特にデュエット曲では「母と子」から「表現者同士」へと関係を高めてきた歩みが感じられた。観客と一緒に振りを付けて歌う場面もあり、世代をつなぐ温かなひとときとなった。
(https://www.youtube.com/watch?v=DU5F6kmifeo)
多彩な選曲で魅せる
ソロ曲では、アンリさんの「踊り明かそう」に満場の手拍子が起こり、航大さんの「少年時代」では観客がメロディーに合わせて片手を振る姿も多く見られた。また、「東京ブギウギ」「アンダー・ザ・シー」では、それぞれが軽快なダンスを披露し、会場を沸かせた。
(https://www.youtube.com/watch?v=Xi7Xkq8_GDg)
親子ならではの息の合ったステージ
アンリさんは「Let it go ありのままで」の前に衣装をコーラルピンクから、水色のドレスにチェンジし、豊かな声で歌い上げた。曲の前に「エルサをイメージしてきた」と話すと、航大さんが「エルサに見えてきた」と返し、直後に「やっぱ違った!」と笑わせる一幕も。

「陽ざしの中へ」では、航大さんが曲の背景やミュージカルの魅力を解説し、新しい一歩を踏み出す希望に満ちた歌をダイナミックに歌い上げた。アンリさんが「ロングトーン、すごいね」と感心し、2人の息の合ったトークも会場を盛り上げた。

デュエットは感謝の気持ちを表したいと選んだ「ありがとうの花」、ゴスペル調でコールアンドレスポンスが小気味良い「オーハッピーデイ」、ミュージカル「アニー」の名曲「トゥモロー」の3曲。息の合ったハーモニーを響かせ、会場から大きな拍手が起こった。
(https://www.youtube.com/watch?v=14HV-k3Z7YQ)
地元で歌う喜びと意義
終演後、航大さんは開口一番「あたたかみを感じた」と語り、「普段の活動や舞台の良さを知っていただく機会にもなる。ミュージカルを好きになってもらえたら」とコメント。アンリさんは「このような機会をいただけてありがたい。緊張もしたけれど、楽しかった」と話した。
主催の中央地区社会福祉協議会の中川浩一会長は「航大さんは娘の同級生なので、ことさらに感慨深い」と語った。また観客からは「素晴らしい歌声でうらやましい親子関係」という声も聞かれた。