三重県四日市市は9月12日夜から13日未明にかけて大雨になり、天白川、鹿化川流域に避難指示が発令されたほか、中心市街地でも道路冠水や地下駐車場への浸水、商店への水の進入が相次いだ。不安定な大気の状態は13日の日中も続いており、気象庁は夜まで強い雨になる可能性を伝えている。
記録的短時間大雨情報を発表
雨の勢いは12日午後9時以降に一段と強くなったとみられ、気象庁は同日午後10時までの1時間で123.5ミリの降水量を観測、記録的短時間大雨情報を発表した。四日市市では観測史上最大の降水値という。菰野町でも同様に1時間あたり約120ミリの大雨が記録された。
くすの木パーキングに浸水
市災害対策本部によると、中心市街地の浸水は、近鉄四日市駅の東西から中央通りに沿って東へ向かい、市役所がある三滝通りでも冠水があったという。市役所も浸水でエレベーターが動かなくなった。500台余を収容できる中央通り地下にある駐車場「くすの木パーキング」では、浸水で車が出せなくなり、13日朝も地下へ向かう階段の途中まで水が残っていて、中に進めない状態だった。朝は駐車場の事務所の電話も不通になっていた。中央通りには、ところどころに、乗り捨てられたと思われる持ち主のいない車が見られた。



13日は朝から住宅や店舗などで後片付け
13日朝は、近鉄四日市駅西口のバス乗り場付近には落ち葉やゴミが流れついており、百貨店の食品売り場の入り口前に積もり、白い柱には泥水の跡が残っていた。中央通りに面した「おにぎりの桃太郎」のお店では、従業員が床まで入った水をふき取り、店のテーブルや椅子などをふいていた。道路からの浸水だけでなく、排水口の逆流と思われる浸水もあった様子だ。付近の歯科医院でも待ち合いスペースの床ふきなどに追われ、「このあたりでこんなに水が出たのは東海豪雨以来ではないか」との声も聞かれた。


床下浸水被害は多数、床上も一部で情報
災害対策本部の13日午前11時時点のまとめによると、けが人はいなかったものの、保々、桜、県、中部、常磐、橋北、川島の各地区で浸水被害が発生し、詳細は確認できていないというが、床下浸水の被害情報が多数、床上浸水の情報も一部であるという。三滝川左岸や国道477号などのアンダーパスが一時封鎖された。市立博物館、四日市公害と環境未来館は15日までの臨時休館を発表した。