湯の山温泉に小劇場誕生「涙坂ホール」 10月5日こけら落とし 新文化拠点に

完成した涙坂ホールのステージと、清酒のプラスチックケースを再利用した座席
【完成したホールのステージと清酒のケースを再利用した座席(湯の山温泉協会提供)】

 菰野町の観光名所・湯の山温泉にある「寅さん記念館」(湯の山記念館)が、小劇場「涙坂ホール」として新たな歩みを始める。改装は温泉協会が中心となって手作りで進められ、10月5日(日)午後3時から同6時まで開かれるアマチュアバンド7組による「たとえばいつかの青春 涙坂ライブ~人生 上り坂下り坂 歌がある~」でこけら落としを迎える。入場無料。


「寅さん記念館」を改装

 建物の前には、「涙坂」と呼ばれる坂道がある。公的な地名ではないが、坂を上った先に「涙橋」が架かっていることから、地域の人々に長年親しまれてきた通称だ。温泉協会はこの一帯を「涙坂ストリート」と名付け、かつてのにぎわいを取り戻そうと活性化に取り組んでいる。
 記念館は1970年公開の映画「男はつらいよ」シリーズ第3作「フーテンの寅」の舞台となった同温泉街に、2020年7月開設。撮影当時の様子を紹介する施設として親しまれ、知る人ぞ知るロケ地巡りの聖地となってきた。



レトロな雰囲気そのままに

 今回の改装では、レトロな雰囲気はそのままに、新しい文化拠点へと再生した。ステージと照明を整え、古いジュークボックスの外観を生かして音響設備を仕込み、清酒のプラスチックケースを座席に再利用するなど、温泉街らしい工夫を随所に盛り込んだ。

古いジュークボックスの外観を生かして設置された音響設備
古いジュークボックスの外観を生かした音響設備

 今後も「寅さん記念館」としての展示は継続し、昭和の映画文化を伝えながら、映画上映会や演劇、コンサートなど幅広く活用する予定だ。温泉協会は「新しい文化の発信拠点として、地元の人と観光客が集う場にしたい」と話している。
 問い合わせは同協会℡(0593922115)へ。

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