三重県川越町の県立川越高校で12月19日、生徒の発想から生まれた初の「校内カフェ」がオープンした。伊勢茶を知ろうとした授業の取り組みから始まり、リラックスできる場所が学校内にあったらという生徒の願いも加わって実現した。喫茶室になった会議室には生徒が次々と訪れ、上々の人気だった。
2年生の探究活動からスタート
川越高校では、生徒が様々なテーマを掘り下げる「探究活動」に力を入れているといい、今年度にはそれまでの普通科が探究科に、国際文理科が国際探究科に、それぞれ学科改編もされている。
普通科の2年生の探究活動で、伊勢茶の振興をテーマにしたグループの3人が、伊勢茶に親しんでもらう機会をと、9月に校内で試飲会を開いたところ大好評。参加した生徒会のメンバーが、これをヒントに、ホッと一息つける場所を校内につくりたいと提案、伊勢茶を楽しむ「校内カフェ」をめざすことになった。

お茶菓子は家庭部がオリジナルで制作、茶の提供は茶道部が協力
探究グループの3人は郡陽太さん、伊藤優里さん、深草果鈴さん。日本茶が大好きな伊藤さんが、地元の四日市市などでも生産されている伊勢茶を取り上げることを提案し、3人は意気投合したという。3人は、伊勢茶にあうお菓子を作ってほしいと家庭部に相談。オリジナルでひと口サイズのみたらし団子、どら焼き(2個)、大福をセットで提供できることになった。


お茶の提供は茶道部が協力。県産のかぶせ茶、深蒸し煎茶、抹茶を提供することにし、抹茶は目の前で点てることにした。茶碗や急須などは借り物を含めて数多くをそろえ、お客で来てくれる生徒たちが好みで選ぶことができるようにした。「校内カフェ」の入り口には、書道部が書いた「川越カフェ」「かぶせ茶とお茶菓子」などの文字も並んだ。

来年以降続く可能性も
初の校内カフェは午後1時半から約2時間の限られた開設だったが、多くの生徒らが来てくれた。お茶の提供場所には列もできたほどで。河合貞志校長もあれこれと気遣って生徒のお手伝いをした。
校内カフェの今後は参加者の意見も聞いて考えるという。生徒会のひとりは「仲間と話ができたり、1人でリラックスできる場所として、来年以降も続いてほしい」。探究グループの3人は、この試みがほかの学校にも広がって、伊勢茶がもっとたくさんの人に親しまれるようになるとうれしいと考えているそうだ。










