三重県四日市市では、国の方針を受け、市立中学校の休日の学校部活動を2026年12月までに地域クラブへ完全移行する。2024年からは部活動の加入も必須ではなくなり、「自主的・自発的加入」へと変わった。学校外で競技や文化活動に取り組む生徒が増え、部活動の在り方は変化している。
少子化や教員の負担軽減
背景には少子化や教員の働き方改革がある。生徒数の減少により廃部や合同チームでの出場を余儀なくされる学校も少なくない。加えて、競技経験のない教員が指導を担うケースや、休日の練習、大会への引率が教員の長時間勤務の一因となってきた。
愛知県尾張旭市の中学校では、顧問が確保できないため半分以上の部活動が、今年9月以降活動停止になるという報道もあった。
複数校の生徒が参加し、専門的な指導者が関わる地域クラブは、こうした課題の受け皿として期待されている。
地域移行の流れの中で、学校外で活動する選択肢も広がっている。サッカーのクラブユースや野球のシニア・ボーイズなど、専門的な指導を求めてクラブチームを選ぶ生徒も多い。学校に部がない競技に挑戦する動きも見られ、市内ではレスリングやラグビーなどのクラブで活動する子どもたちもいる。競技人口が少ない分、全国大会への出場機会を得やすいことも魅力の一つだ。
校外で水球という選択肢

こうした動きを象徴する例として、水球クラブを取材した。
四日市中央工業高校を拠点に活動するクラブチーム「Ocean Bear’s(オーシャン ベアーズ)」には小中学生が所属している。育成コースでは、泳ぎを覚えるところから始める子どもも多い。立ち泳ぎで沈まずに姿勢を保ち、片手でボールを扱えるようになるまで数カ月から半年ほどかかるが、「泳ぐだけより楽しい」と話す子どもが多い。始めて1〜2年で試合に出場できるようになる。

全国大会で活躍
昨年度のジュニアオリンピック水球大会では、小学生チームが夏季4位、春季3位と好成績を残した。夏季は1人、春季は2人が優秀選手賞を受賞した。小学生のうちから全国の舞台で活躍できることが、大きな励みになっているという。

夏季でキーパーとして優秀選手賞を受賞した清永瑛貴さん(三滝中1年)は、仲間からの信頼も厚く、「瑛貴が守ってくれる」という安心感を与えている。
春季で優秀選手賞を受けた髙田遥翔さん(菰野中1年)は「他校の子と練習することでコミュ力がつき、大勢の人と関わることで人間力もつく」と人間関係も重視している。
同じく春季で優秀選手賞を受賞した新保歩大さん(菰野中1年)は、「水球に集中し、高校ではインターハイや国体に出たい」と将来を見据える。
コーチの山川和之さんによると、多くの子どもが中学チームを経て四日市中央工業高校の水球部に進む。同高は全国優勝経験も多く、大学でも競技を続け、日本代表へと進んだ選手もいるという。
送迎の負担は
同高で勉強と両立し国公立大学に進学する生徒もおり、小学生から高校生まで同じ環境で練習できることが継続の力になっているという。部活動ではないため、家族の送迎の負担はあるものの、「生活のルーティンになってしまえば、それほど負担ではない」と話す保護者の声もある。
安定した環境で成長する子どもたち
部活動の在り方が変わる中、学校外のクラブで安定した環境のもと競技を続けられることが、子どもたちの成長と挑戦を支えている。









