三重県立四日市南高校で教員を志望している生徒たちが5月22日、中学校の本物の授業を見学し、教師の実際についての情報交換もした。職業への意識や夢に向かって学び続ける意欲を高めようとする独自の「未来の先生プロジェクト」で、今回がそのスタート。
ふつうなら大学4年生の教育実習で初めて体験する教室の現実を、この日だけは高校の生徒ではなく、教える側の視点で見て、教えるために必要なのは何なのかなどを考える。今回は2、3年生12人が参加し、協力してくれた四日市市立笹川中学校へ。学び舎はすぐ隣だ。
1年生の数学、国語、美術、音楽の4クラスをグループに分かれて見学した。南高校の西川俊明校長、永井敏勝教頭、三重県教育委員会事務局の坂倉淳一主査らが同行した。


授業見学のあとの情報交換会には、海戸田康先生が教員代表で出席した。水谷悠人さん(2年生)が「授業を受けている立場の私たちは周りを見ることはなかったが、きょうは、その機会をもらった。先生がどんなことをしているのか、見ることができた」と中学側にお礼を伝えた。
その後は本音に迫る質問が続出した。海戸田先生は戸惑う様子もあったが、はぐらかさず、誠実に答えた。「先生をめざすうえで、こんなことをやっておいた方がいいことは」と聞かれると、「教科も大事だが、それ以上に、いろんな人生経験をすることで生徒と話ができる。僕は大学生のころ、一時、アニメに浸っていた時もあったけど、それで生徒と話が合うこともある。何をやっても無駄にはならないと思う」と答えた。

教員の仕事についての質問では、海戸田先生は「先生と毎日呼ばれていると、それに慣れてしまう。傲慢にならないことが大切だと思う」と話していた。後藤大介校長には「どこで、校長になろうと思いましたか」の質問が飛んだ。「この仕事をしている中で、素敵な仕事をしている校長に出会い、こういう人に近づきたいなと思って、今の仕事につながったのかな」と答えた。
生徒たちは、南高校に戻って、校長室で「ふりかえり」をした。授業の見学の感想をそれぞれが語った。音楽の授業を見学した生徒からは「教師が常にいろんな生徒を見ていて、ざわついたりすると、その方向に寄ったり、質問を投げかけたりして、授業への集中を促していた」と分析結果が。国語を見学した生徒は「国語は人によって解釈が違う。自分が思う抽象的なことを相手にどう伝えるか。語彙や表現力をもっと高めたい」と話した。
南高校では、教員志望の生徒の次のプロジェクトを考えるとともに、ほかの道を志望する生徒のための企画も考えているという。企業見学など、できることを広げていきたいそうだ。









