三重県四日市市楠町で10月10日、「南楠鯨船まつり」が始まり、豪華に飾り付けがされた「龍神丸」が町内へと繰り出した。楠漁港や楠町内の主要な事業所のほか、家を建てた、還暦を迎えたなど、お祝いごとがあった個人の家の前でも演技を見せ、町内を一巡した。11日夕までにぎわう。
この日は楠町南五味塚にある南御見束神社で神事をしたあと、龍神丸が神社を出発する「出船」があり、神社の前には朝早くから見物客が集まった。南楠鯨船保存会(服部道典会長)を中心に約250人がそれぞれの持ち場につき、神社の鳥居をくぐらせて、龍神丸を境内の外に導いた。
鯨船を先導する形の竹組みのクジラを操るのは大人だけでなく、小学生などの子どもたちも。姫クジラを動かす女の子たちは、髪の編み込みをめいっぱいカラフルにして、この晴れ舞台に臨んだ。

龍神丸の船上では、銛を打つ役の祭りの花形「踊り子」が、大きな船の揺れに負けまいと演技した。今年は、2回目の加田龍佑さん、初登場の長谷川大惺さんの、いずれも楠小学校6年生の2人が務めている。
町内の人たちに支えられて勇壮な姿を見せている鯨船まつりだが、少子化の流れはここでも同じで、船上の漕ぎ手役など子どもたちの確保も難しくなっていきそうだという。船の維持についても、最近の資材の高騰ぶりは心配の種になっているそうだ。
南楠鯨船まつりは、幕末ごろから続いているともいわれ、1880(明治13)年に「大網」という組織ができ、神社に奉納する祭り行事として盛んになったという。昭和初期にこれを青年団が引き継ぎ、1960年に南楠鯨船保存会が発足したという。1996年に四日市市の無形民俗文化財に指定されている。















