三重県警四日市北署は11月2日、粘り強く質問し続けることで詐欺被害を防いだとして、百五銀行阿倉川支店と行員2人に感謝状を送った。同支店は7月にも詐欺被害を防いでおり、1年間に2回、特殊詐欺の被害を水際で防いだとして、特殊詐欺被害防止優良事業所の表彰盾も支店に贈られた。
この日、北署で感謝状の贈呈式があり、支店長の原博美さん(46)、支店長代理の末﨑直子さん(39)、当日の窓口担当だった樋尾亜樹子さん(49)に尾嵜隆則署長が感謝状を手渡した。その後、原さんに表彰盾が贈られた。
同署や3人の話によると、9月24日午前10時前、80歳代の男性と70歳代の女性の夫妻が窓口の樋尾さんに「300万円を出金したいが、きょう出せるか」と聞いてきた。急いでいる様子で、息子が「生活費に必要」と電話してきたという。樋尾さんが「印鑑はお持ちですか」と聞くと忘れていて、男性が急いで自宅に帰って、支店に戻ってきた。
「大きな額なので息子さんに確認していいですか」と聞くと「きょうは、いつもと電話番号が違うと言っていた」などと答えたため、樋尾さんは「これは詐欺だ」と思い、末﨑さんに対応を引き継いだ。末﨑さんも粘り強く2人に質問していると、今度は「車を買うために必要になった」などと送金の目的も変わるので、原さんが北署に連絡し、末﨑さんと2人で説得にあたったという。
樋尾さんは「大事なお金が無駄にならず、よかった」、末﨑さんは「詐欺事件が多いので、お客様が気分を害されることはあるかも知れないが、こちらも聞かないといけないと思っています」と話した。
原さんは、「高齢者の高額出金と個人間の振り込みは特に注意し、こういう場合はどんな質問をするかなど、研修などで共通認識にしています」と、今後の被害防止への気持ちも語った。
今回は、かつて主流だった典型的な「オレオレ詐欺」の手口で、何人もが登場する劇場型や、ロマンス型など、最近の手の込んだ特殊詐欺ではない。単純な手口が10年ほどして回帰してきたような印象もあるといい、北署の担当者は「一周回って、かつてのオレオレ詐欺が増えているのかも知れない」と警戒しているという。
同署によると、今年の特殊詐欺の被害状況は、9月末現在、三重県内で652件(前年同期比25件増)、被害額にして38億円余(同1億3000万円余の増)になっているという。
















