三重県四日市市の地域交通として親しまれている四日市あすなろう鉄道で11月1日、この鉄道を活用したまちづくりを考える二つの企画が行われた。ひとつは、バレーボールのヴィアティン四日市の選手と一緒に電車に乗ってアリーナへ向かう「観戦ツアー」、もうひとつは今年で6回目になった誰でも参加できる「駅ピアノ」。どちらもスポーツ、芸術の秋にふさわしく、始発のあすなろう四日市駅はにぎわった。
ファンには素敵なひととき
この日、午前8時台からプラカードを手に改札口の前でファンを待ったのは、ヴィアティン四日市の8人の選手やスタッフのみなさん。「四日市あすなろう鉄道で行こう!ヴィアティン四日市バレーボール観戦ツアー」に約30人を招待し、電車で日永駅へ行き、一緒に歩いて会場の相好アリーナ四日市へ。参加者は1階席で観戦し、帰りも日永駅まで選手と歩くという内容。電車の中で選手にサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりと、ファンにとってはまぶしいくらいの素敵なひとときになった。


ヴィアティン四日市は地域に愛されるクラブをめざしているが、試合会場になる相好アリーナ四日市は土日ともなると駐車場がいっぱいになり、出入りする車で渋滞も起きるという状況がある。公共交通を利用することで、こうした社会問題の解決の一策にもなればと企画を応募したという。
定員に対しほぼ2倍の応募だったそうで、以前からヴィアティンのファンだという女性は、ぬいぐるみの洋服にたくさんの選手にサインを書いてもらった。こ観戦ツアーで初めてヴィアティンのバレーボールに触れるという女性は、「最初の入り口には、とてもいい企画になりました」と話していた。
ヴィアティン四日市はこの日、前日に続き富士通カワサキレッドスピリッツと対戦。セットカウント3対1(25対23、25対21、19対25、25対21)で勝利し、開幕2戦を連勝し、いいところを見せることもできた。

駅はコンサート会場のよう
午前10時からは「音楽の街よっかいちに駅ピアノがやってきた!第6弾」が始まり、夕方まで続いた。開幕にあたって市議会の中川雅晶議長があいさつし、「あすなろう鉄道が人と人の出会いやにぎわいをつくり、駅を中心に未来を開く鉄道であってほしい」などと話した。
この企画は、おとなもこどもも一緒に音楽を楽めるようにと演奏活動などをしている一般社団法人JUNCOいずむ芸術アカデミーのJUNCOさんが提案して始まった。県内では歴史ある駅ピアノだ。
開幕は、笹川中学校合唱部の生徒10人による歌声。顧問の田中寿子教諭が指揮をし、四日市市歌、山崎朋子さんの「僕らの歌」、アカペラで歌うわらべうた「通りゃんせ」、Mrs. GREEN APPLEの「点描の唄」、弓削田健介さんの「14-fourteen」などを歌った。通学でこの鉄道を使う人はごく限られているそうだが、市街地へ出かける時などには大切な交通手段になっているという。

午前11時から時間を置いて4回、こにゅうどうくんも登場してピアノの前に。かなりの指使いを見せる曲を演奏して、聴いていた子どもたちから「こにゅうどうくん、すごい」という言葉も聞こえていた。
駅ピアノに挑戦する人は午前中だけでも20人(予約含む)を上回って、かなりの人気。ピアノ演奏だけでなく、JUNCOさんの伴奏で歌ったり、フルートの演奏をする人もいた。一般参加のピアノ演奏に加え、JUNCOさんの楽しい演奏や、かつてロックバンド「めるへん堂」に参加し、プロデューサーでもあるドラマーの藤生〝Zenzo〟善一さんや、海星中学高等学校吹奏楽部の演奏もあった。


ふたつの企画は、四日市市都市計画課公共交通推進室が主催する「四日市あすなろう鉄道を活用したまちづくり事業」として行われた。地域の人とともに愛される鉄道として存続していきたいとの願いが込められているが、最近の沿線の住宅開発や、交通渋滞のない鉄道の利用しやすさなどもあって、利用客数は上向いてきており、年間ほぼ300万人となっているという。
















