PFASへの取り組み市民団体ら発表、四日市からも参加、オンラインで初の全国交流集会

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【オンラインでPFASへの取り組みを発表、意見を交換した全国交流集会(パソコンの画面から)】

 各地で問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)の汚染について現場から報告し、意見を交換するため、8月17日、「PFASオンライン全国交流集会」が開かれた。全国で調査や自治体への働きかけを続けている市民団体などが参加しての開催は初めてといい、青森から沖縄まで18の団体・個人が発表、100人近くがオンライン参加で視聴した。

 集会は、「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」が主催し、拠点会場を東京都立川市の地域保健企画ビルに置いた。京都大学名誉教授で京都保健会の小泉昭夫さん、研究者の高橋雅恵さんが専門的な視点から報告し、できるだけPFASについて厳格に対処しようとしている欧米に対し、日本の動きの鈍い状況などを説明した。

 国内でも住民への影響を明らかにするための血液検査を求める動きが出ているが、国は安易に自治体が血液検査をするのは困ると考えているかのような印象があること、子どもは早い成長によってPFASの蓄積が希釈されるような状態になる傾向があり、本来の影響を調べるためには早期に行うことが重要で、米国に習い、子どもを調査の対象から外さないことが必要なこと、PFASを含む廃棄物に関する国内の法規制を急ぐ必要があること、などが語られた。

 全国からの発表は沖縄の「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」から始まり、三重県四日市市の「四日市公災害市民ネット」の代表世話人松岡武夫さんは8番目に発表。独自の調査で企業からの排水や、水源地の上流にある河川での汚染を明らかにしてきたこと、それらの数値を基に四日市市に対処を求めたが否定的で、市議会へ提出した調査を求める請願も採択が延期されていると報告し、「公害を体験した市の経験はどこへ行ったのか」などと意見を述べた。

 全国からの発表は熊本、広島、岡山、兵庫、大阪、京都、岐阜、愛知、静岡、神奈川、東京、千葉からもあり、おおむね、訓練で泡消火剤を大量に使ってきた在日米軍基地や自衛隊基地の周辺、工場の排水や、埋め立てられた産業廃棄物からの染み出しなどが影響していることがうかがえるという。血液検査を独自に行い、高い数値が出ていることが分かった地域もある。

 しかし、日本の基準値が欧米などに比べて高め(日本の暫定基準値は50ng/Lに対し、米では4ng/Lに厳格化された)で、自治体がこれを理由に独自の判断を避ける傾向にあり、基準値の現状そのものが問題の解決の壁になっているとの指摘も語られた。

 集会では、PFAS問題への世論を喚起していくため、今後も全国で連携していくことも確認した。