三重県四日市市に本社を置くスーパーマーケットの株式会社一号舘が7月7日、市内の小学校(37校)に図書「学研まんがでよくわかるシリーズ『食品トレーのひみつ』」を寄贈した。身近な食品トレーからリサイクルなど環境問題に関心をもってほしいとの願いで、ちょうど、市内にはこのリサイクルに取り組む企業があり、本拠地ともいえる地元での寄贈になった。
寄贈式が市役所であり、一号舘の佐藤洋一郎社長から廣瀬琢也教育長に本が渡された。教育委員会分を含めて計38冊。廣瀬教育長からは感謝状が佐藤社長に贈られた。
佐藤社長は「子どもたちにも身近な食品トレーを通して、持続可能な社会の実現、環境問題への理解、主体的な学びと社会とのつながり発見、などに役立ててほしい。地域の子どもの学びに貢献できることは私たちにとっても喜びです」などとあいさつした。廣瀬教育長は、企業の協力を得た社会の学習がされているなか、スーパーマーケットの見学で一号舘にも協力してもらっていることの紹介があり、「リサイクルについて、子どもたちがより実感できるようになるでしょう」と期待を述べた。
一号舘は、店舗での食品トレーの回収に取り組んでいるが、食品トレーの製造大手の株式会社エフピコ(本社・広島県福山市)との交流のなかで、この図書を紹介された。エフピコは、東京に本社があるDIC株式会社(旧大日本インキ化学工業株式会社)との連携で、四日市工場で着色された食品トレーを無色化してリサイクルする試みを進めている。一方、DICは一般家庭からの回収ルート構築などリサイクル社会実現を進めることで四日市市と包括連携協定を結んでいる。四日市市は食品トレーの先端的な活動が進む拠点になる可能性を秘めている場所ともいえるわけだ。