地域の古民家に、子どもたちの笑い声が響く。三重県菰野町小島のフリースクール「こもドーナツ・フリースクール」は、不登校の子どもや学校に通いづらさを抱える子どもの居場所として、多くの親子に親しまれている。
「大人になりたいと思える環境をつくりたい」。そんな思いで活動するのは、代表の黒宮久美さん。長男が不登校になったことをきっかけに、通える範囲にフリースクールがない現実に直面した。
県外の施設を見学した際、生き生きと過ごす子どもたちの姿に心を動かされ、「無いなら自分で作ろう」と決意。地域でのカフェ運営の経験を生かし、2024年に開設した。

10月30日に開かれたハロウィーンパーティーには、小学生15人が参加。仮装やフェイスペイント、ゲームを楽しみ、昼食にはカレースープやナンを囲んだ。翌日が誕生日の子どものために手作りケーキも用意され、みんなで祝った。

小雨の中でドッジボールをする子や、友達とゲームに夢中になる子など、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。

会場には、おそろいのコスプレ姿で参加した小学4年生の女子児童3人組もいた。他のフリースクールにも通う児童は「ここでは同じ学年の女の子とネイルや恋バナができる」と笑顔を見せる。3人は一緒に通う約束を交わしているという。
ある児童は、小学1年生の頃から学校へ行くことが苦しくなった。学校内のサポートルームも利用しているが、学校では先生と話したり宿題をしたりする程度で、友達はできなかった。学校に行けないことに苦しみ、「死にたい」と口にしたこともあったという。
こもドーナツに通い始めた当初は、母親と離れることができなかったが、仲間と山へ行ったり川遊びをしたりする中で少しずつ変化が現れた。笑顔が戻り、自分のやりたいことを話すようになった。この日も初めて会った児童たちと自然に打ち解け、一緒に遊んでいた。
黒宮さんは「お母さんたちに、手伝ってもらいながら活動を続けている」と話す。
この日振る舞われた昼食やケーキやクッキーは、保護者たちの手作りだ。黒宮さん自身も不登校の子どもを持つ保護者であり、また今まで多くの利用者との経験を生かし、「親御様とのコミュニケーションを大切にしています」と語る。フリースクールは自宅を開放して運営しており、親戚の家を訪れたような温かな雰囲気がある。子どもたちだけでなく、保護者にとっても安心して過ごせる居場所になっている。

利用者の中には、断続的に通いながら1年以上かけて正式に入会する子どももいる。県外から通う家庭や、下の子を連れて送迎する保護者も少なくない。
全国的に不登校の子どもは増え続けている。開設当初に通い始めた子どもたちも成長し、高学年になる子が増えてきた。黒宮さんは「いつかフリースクールを超えて、不登校の子どもたちが通える中学校をつくりたい」と将来を見据える。
こもドーナツは月・火・水・金曜日に開所。月曜日は少人数で過ごしたい子どものため、利用者を限定している。利用料は1日2500円。日々の活動の様子は公式インスタグラム(https://www.instagram.com/komo_donut_free_school/#)で発信している。
















