グラウンドの温度上昇抑える実験、四日市の海星高校で大阪の会社ら

,
【マウンドとホームの間にシリカペレットをまいて広げる=四日市市追分1丁目】

 炎天下でもグラウンドの温度上昇を抑えるという植物性シリカペレットの実験が、6月9日、三重県四日市市の海星高校であった。大阪の会社が開発・製造しているもみ殻を原料にしたシリカペレットで、これまで大阪近辺で実施した実験では、10度ほど温度を下げる効果も計測されたという。

 あいにく、雨が降ってくる空模様となり、暑さを和らげる効果を実感するには難しい日になった。野球部の練習場となるグラウンドで、マウンドからホームベースまでの間に細かい砂のように見えるシリカペレットをまいて広げ、地表面の温度を計測器で調べたところ、シリカペレットをまく前に比べ、3度ほどの効果があったという。

細かい砂のようなシリカペレット

 大阪の株式会社M.I.Tが開発した製品で、これまで燃やすか捨てるかされていたもみ殻を用い、細かい粒子に仕上げている。植物性シリカは表面に多くの穴が開いている多孔質構造で、水を吸収しやすい半面、炎天下にグラウンドが乾燥すると水分を放出し、「打ち水」の効果を発揮するという。代表取締役の野間たまきさんの話では、ごみになるもみ殻を使うことで自然環境に配慮しており、温度を抑制する効果だけでなく、花壇などに用いれば植物の生育にも効果があるという。

バックネット裏で実験について説明する野間たまきさん(右)

 大阪では大阪城公園や学校の運動場などで実験が重ねられているといい、この日の実験には海星高校の関係者のほか、国会議員、県議、県教委関係者らも参加して見学した。大阪の業者の製品を扱っている四日市市の株式会社アクアテクノの関係者が海星高校OBでもある縁で、高校に実験の場所提供をしてもらったという。

こんな投稿もあります。